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宇部興産、タイ子会社が現地大手と資本提携

2012年5月23日 (水)

アパレル宇部興産は23日、タイ子会社「宇部ケミカルズ(アジア)パブリック社」(UCHA)の株式の一部を、同国のIRPCパブリックカンパニー(IRPC)に譲渡すると発表した。

 

タイ子会社におけるIRPCとの資本提携の一環で、IRPCは7月初旬をメドに53億バーツを出資し、UCHA株式の第三者割当増資を引受けるとともに、宇部興産からUCHA株式を一部購入することで、UCHAの25%の株主となる。これに伴い、宇部興産の出資比率は92.67%から68.99%になる。

 

UCHAはカプロラクタムとナイロンの製造・販売子会社で、工場はタイ・ラヨーン県にあるIRPCの石油化学コンプレックスに近接、IRPCから硫黄などの原料やユーティリティの供給、港湾設備・貯蔵タンクなどのサービスを受けている。

 

宇部興産は、高いコスト競争力と成長が見込まれる東南アジア・中国に近い立地から、カプロラクタムチェーンの主力工場に位置づけている。

 

IRPCは、天然ガス・石油関連を主なビジネスとするタイ最大の上場企業「PTTパブリックカンパニー」(PTT)グループの中核会社の一社で、ラヨーン県のコンプレックスで輸送燃料や石油化学製品などを製造している。

 

宇部興産とPTTは、2008年12月に化学事業でコラボレーションを合意しており、最適な協業体制の検討を
進めてきた。

 

今回の資本提携により、宇部興産とUCHAは、IRPCからのより競争力のあるコストでのサービス提供のほか、今後タイで新たに展開するプロジェクトにPTTグループが参画することで、原料・土地・ユーティリティの確保、PTTグループの既存設備の有効活用などのメリットも期待している。

 

IRPCは汎用的な石油化学製品から、UCHAが製造するナイロン樹脂などの高付加価値品へビジネスを拡大するとともに、UCHAの経営に参画することで、コンプレックスでも効率的な運営が可能となる。またIRPC、PTTグループは、UCHAがタイで新たに展開するプロジェクトへも参画する機会を得る。