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1Q時点「堅調」見通しも原油・輸送費「再上昇」で判断

AGC、「物流費上昇で採算悪化」と最大15%値上げ

2019年7月24日 (水)

財務・人事AGCは23日、国内の建築用ガラス関連製品の販売価格を10月1日納品分から値上げすると発表した。原料費や物流費の上昇で採算が悪化しているとして、販売価格を引き上げることで「収益改善を目指す」。引き上げ率は板ガラス・ミラーが15%、建築用加工ガラス製品は10%。

同社は「国内の建築用ガラス関連製品では、原燃材料、副資材の価格の高騰、人件費や物流費の上昇で製造コストが大幅に上昇し採算は悪化している」と値上げの背景を説明。「企業努力だけではコストアップを吸収することが大変難しい状況だ」として、前年同期に続いて再び値上げに踏み切る。

だが、直近で発表されている四半期決算(1−3月期)は、営業利益が全社で3割以上落ち込んだ一方、建築用ガラス部門は日本、欧州で出荷が増え、前年度1Qに行った値上げが寄与して販売価格が改善し、部門利益を伸ばした。

19年度の見通しでも同部門は堅調な販売と前年同期の値上げがフルに寄与するほか、生産性改善による製造原価の低減を織り込み、1−3月期の決算説明会でも「建築用ガラス部門(の営業利益率)は堅調」に推移する見通しを示していたが、「原油や輸送費などのコスト上昇がさらに進み、18年後半から再度の値上げ検討に入った」(同社広報)という。