ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

トヨタ・WNI、道路冠水のリアルタイム検知実験開始

2019年10月11日 (金)

話題ウェザーニューズ(WNI、千葉市美浜区)は10日、同社が持つ気象データとトヨタ自動車のコネクティッドカーから得られる車両データを活用して、道路冠水をリアルタイムに検知する実証実験を東京・大阪・愛知の3都府県で10月から開始した、と発表した。

この取り組みは、トヨタのコネクティッドカーが冠水しているエリアを車両が通過するとき、非冠水エリアと比べてアクセル踏み込み量に対する車両の速度が小さくなることを利用して、車両が通過した道路が冠水しているかどうかを判定するもので、両社が新たに開発した冠水検知のアルゴリズムを用いてAIに分析させることでリアルタイムに検知できる体制をつくった。

▲実証実験のイメージ

昨夏に都内で発生したゲリラ豪雨を対象にした事例検証では、車両の故障や立ち往生につながる深さの冠水箇所の推測に成功したとして、今回の実証実験ではより広域の道路で検証し、さらなる精度の向上を目指す。期間中、対象地域で冠水を伴う大雨が予想される際には臨時サイトをオープンし、推測された冠水箇所をリアルタイムで公開するという。

「冠水検知実証実験」臨時サイト

この取り組みを始めるにあたり、両社は気象データと車両データを用いた共同研究に関する契約を締結。その背景について「激甚化する気象現象やそれによる被害が社会問題となっており、これまで以上に局地性・即時性のある気象情報やその対応策情報が求められているなか、既存の気象観測器では設置場所や測定間隔が制限されてしまう。車両データと気象データというビッグデータを組み合わせて分析することによって、道路とその周辺の実況把握への新たな活路が開けることが期待できる」と説明した。

物流業界では、ことし9月に三重県で冠水したアンダーパスにトラックが水没し、ドライバーが死亡する事故が発生している。台風19号を前に大きな被害が予想される地域では、こうした情報や各地方整備局が発表している「道路冠水注意箇所マップ」などを用いて無理のない運行を心がけてもらいたい。

関東地方整備局の道路冠水注意箇所マップ