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福山通運と乾汽船、配送マッチングで業務提携

2021年1月13日 (水)

M&A福山通運は13日、乾汽船と物流事業で業務提携すると発表した。乾汽船が運営する近距離の求荷求車サービスを自社の全国400拠点へ展開し、同サービスからの受託貨物を増やすことで、拠点ごとの集配車両の稼働率を高める取り組みが柱。このほか、引越事業やトランクルームなどの倉庫事業でも協業を検討する可能性がある。

乾汽船では、複数の荷主・倉庫・運送事業者が稼働率を高めるために複数のシステム開発に取り組んでいるほか、伝三郎商会(東京都中央区)が手がける配送マッチングシステム「G.works」(ジーワークス)の開発に協力するなど、幅広く物流マッチングビジネスに参入していく意思を明らかにしている。

(イメージ画像)

こうしたなか、乾汽船は福通と提携することにより、求荷求車サービスを運営する上で重要なカギを握る「車両の確保」で優位性を得るメリットが見込める。福通は、自社が直接営業して獲得する以外の方法で荷物を増やし、集配業務に従事する空き車両の稼働率アップにつなげる。

福通と乾汽船がこの分野で提携して福通が豊富な車両情報を供給することにより、乾汽船のサービスを利用する荷主は車両を確保しやすくなるため、荷主にとってはサービスの魅力が増すことになる。

一方、福通が提携パートナーとしてマッチングシステムに関与していくことで、競合他社が参画しにくくなることも懸念されるが、マッチングシステムに安定した荷物量を呼び込むことにより「使える求荷求車サービス」としての評価を獲得できれば、稼働率を高めたい大手集配同業者も無視できなくなる可能性が高い。

福通では、13日付で関東統括部長を兼務する矢木野雅之常務執行役員営業本部営業部長が兼務を外れ、乾汽船との提携事業に集中しやすい環境を整備。

すでに福通と乾汽船による協業プロジェクトチームが立ち上がっており、今後は福通の全国400拠点へ展開していく方法などを詰めるほか、向こう5年間をメドに、両社の国内物流事業で業務効率を高めるための施策を展開、新規事業を共同で模索することでも合意している。

“意外な組み合わせ”続出の予感

このニュースに違和感や当惑が過った読者は少なくないだろう。そもそも往く道が交わることない――と誰しもが思う両社の協業発表は、その中身を読み解けば「なるほど」と納得できる。

しかしそれでもなお、「これからの時代、もはや何が起きても不思議ない」という身構えを禁じえない。妄想や仮想の域を出なかった「来るべき未来」を、現実はあっという間に追い抜いて、瞬きの間に「過去」に変えてしまう。プレイヤーたる事業者は、自身の「今」が気付かぬうちに「過去」となって、自社サービスの陳腐化や競争力低下に陥ることへの危惧を抱いてやまないだろう。

先駆けるか、並走するか、後追いするか。赤い海での経営の舵取りには、観察・感知・取捨の連続が付いてまとう。それは不動の事実と評してよさそうだ。(企画編集委員・永田利紀)