調査・データ帝国データバンク(TDB)は3日、6月の国内景気動向を調査・集計した景気DI(景気動向指数)を発表した。全国2万6237社を対象とし、1万435社から有効回答を得た。
6月の景気DIは前月比0.1ポイント増の42.7となり、6か月ぶりに改善した。国内景気は、物価上昇により個人消費が低迷したものの、気温の上昇によりエアコンや医薬品、化粧品などの季節需要がプラス要因となったほか、半導体関連も引き続き堅調だった。一方で、コメ価格の高止まりや物価上昇が個人向けサービスを抑制する要因となり、中東問題による原油価格の動向やトランプ関税の不透明感も重荷となった。また訪日客数は好調であったが、円高などの影響で消費額に頭打ちがみられ、不確実性の高まりのなかで、当面弱含みで推移すると予想した。
業界別に見ると、運輸・倉庫業は前月比0.5ポイント減の42.3と2か月ぶりに悪化した。「人件費や燃料、車両、整備費の上昇分に運賃相場が追いついていない」といった声が聞かれたほか、建設などの低迷は物流の停滞につながった。加えて、中東情勢による原油価格の動向なども下押し要因となった。
全体では10業界中5業界で改善、4業界で悪化、1業界で横ばいとなった。急激な気温上昇のなか、エアコン需要や飲酒機会増加など季節需要の先取りがプラスに作用。他方、仕入価格の高止まりや物価上昇は企業収益に悪材料となった。
同社によると、今後の国内景気はトランプ関税に関する日米交渉の行方が景況感を左右するほか、中東問題の緊迫化など海外情勢が注目される。また、賃上げやボーナス支給にともなう実質賃金のプラス転換のタイミングも重要と分析した。プラス材料ではインバウンド需要の継続や物価高対策、設備投資は景気を下支えする要因となるとした一方で、為替動向や家計の節約志向が懸念材料となると予想した。
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