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スピーディーさと正確さで業務の効率アップ

連続・非接触で6秒測定、旭化成のアルコール検知器

2023年11月29日 (水)

話題12月1日から始まるアルコールチェックの厳格化に対しては、トラックが必須の運送業などは着々と準備を進め、すでに運用を始めている業者も多い。しかし、アルコール検知器を導入した現場からは「息を吹き込む時間や連続測定する場合の待ち時間が長くて時間がかかる」、「マウスピースを使う手間が煩わしく、不衛生」、「検知器の発注の手間が煩雑で面倒」など、さまざまな声も聞こえてくる。

しかし、そうした不満を一気に解消してくれるのが、旭化成エレクトロニクスのグループ会社であるSenseair AB社(センスエア)が開発したNDIR方式アルコール検知器「Senseair Workplace」(センスエアワークプレイス)だ。従来の機種とは異なる検知方式を採用したSenseair Workplaceについて、親会社の旭化成エレクトロニクスに聞いた。

スピードと正確性、信頼性を兼ね備えた第三の検知方式

「これまでのアルコール検知器は、半導体方式と燃料電池式(電気化学方式)という2つの検知方式が主流でした。この2方式では呼気中のアルコールがセンサーと接触し化学反応を起こすことで検知をしていましたが、Senseair Workplaceが採用したNDIR方式(非分散型赤外線吸収法)は、呼気に含まれるアルコールに特定の波長の赤外線を当て、アルコールによって赤外線がどのくらい減衰するかをセンサーで検知するという方式をとっています。この方式をベースとして、高速・連続の呼気試験が可能な、長期安定測定を実現できる信頼性の高い検知器を開発することができました」

こう語るのは、旭化成エレクトロニクスの清山一志氏。酒気帯びの呼気には蒸気になったアルコールが含まれているが、これがどのくらいセンサーに触れるかを検知するのが従来の2方式。センサー上での化学反応を利用して検知するため、センサーの劣化が早いのが欠点だ。これに対しNDIR方式はセンサーが劣化しにくいため、長期安定測定を実現している。また、センサーが劣化しにくいので、常に精度の高い状態を保つことができる。

▲NDIR⽅式の測定原理と特⻑(クリックで拡大)

スピーディーな検知でドライバーの「待ち」を解消

「従来方式だと化学反応を利用しているため、一度アルコール検知された場合、通常次の測定までに時間がかかります。しかし、NDIR方式では、光学的に赤外線の減衰量を測定しており、また本器独自のエアフロー構造により、残気がすぐにリフレッシュされるため、すぐに次の検知を行うことができるのもメリットです」(清山氏)

実際に取材班が試してみたところ、測定開始から6秒で検知が終了し、すぐに次の検知を行うことができた。従来方式のアルコール検知器では10秒から15秒ほどかかるが、それに比べるとあっという間に検知が終わる印象だ。

「事業所据え置きタイプの検知器を使っている物流拠点だと、大勢のドライバーの検知に時間がかかってしまうという課題を抱えていることも多いようです。しかし、Senseair Workplaceならドライバーに余計な負荷を掛けずにスムーズに業務を進めていただけます」(清山氏)

バースが空くまで待機したり、荷待ちをしたりと、運送業には「待ち」が多く、これがドライバーに大きな負荷をかけている。少しでも無駄な待ち時間を減らすことは、ドライバーの働きやすさにも関わってきそうだ。

手間のかかる「検知器の補充」からもおさらば

改正法施行に伴い事業所は必ず、使用可能なアルコール検知器を常備している必要がある。しかし、一般的な検知器の中には測定回数1000回でセンサー寿命がくるものもある。これだと、毎日50人のドライバーが稼働している事業所で、出発時・帰着時の2回検知を行う場合、10日で検知器を交換しなければならない。実際に運用を始めている事業所の中には、新品の検知器を常に手配しなければならないのが、意外に手間になっているという所もある。安価な機種を選んだとしても、中長期的なランニングコストはそれなりにかかってしまうのが現実だ。

「Senseair Workplaceはセンサーが劣化しにくい検査方式なので、長期安定測定、測定回数上限なし。100人を超えるドライバーがいる事業所でも、長期間、正確な検査が行えます」(清山氏)

▲Senseair Workplace導入のメリット(クリックで拡大)

旭化成エレクトロニクスでは社外の事業所で運用テストを行っており、非接触型なのでマウスピースの洗浄などの手間が不要で、マスクをしたままでも検知できる点なども好評だったという。検知速度が早いため、同じ時間帯にドライバーが集中する事業所では点呼場の混雑が避けられ、感染症対策としても効果が期待できそうだ。

「Senseair Workplace」の詳細・問合せ
■詳細
https://evort.jp/article/akm_ndir-alcohol
■問合せ
旭化成エレクトロニクス
マーケティング&セールスセンター ソリューション開発第一部
担当:齋藤 航氏
TEL:03-6699-5449
メール:saito.wb@om.asahi-kasei.co.jp