調査・データトヨタ自動車は9日、自動車の量産に必要な「型式指定」の認証試験で不正があった問題をめぐり、再発防止策を国土交通省に提出したと発表した。開発・認証業務の理解促進活動や責任の明確化、現場での順法意識の向上策などを盛り込んだ。
同社の報告書では、会社全体の業務運営体制の再構築や自動車開発・認証全体の管理手法を改善するとして、体制の見直しや社員教育などの改善策を列記している。
それによると、CTO(最高技術責任者)を開発の総合判断責任者、G-CQO(グローバル最高品質責任者)を認証の総合判断責任者と規定するなど、開発や認証の責任の所在や権限などを明確化。経営層による開発・認証現場の定期的な巡視も実施する。
認証試験を実施する際は、G-CQOが任命する法規主監を「社内審査官」として試験に立ち会わせ、実施状況や正確性を確認。また、試験実施担当者がプログラムを変更できないよう、プログラムの書き換えを防止する仕組みの導入を検討する。
開発・認証業務に対する内部監査の充実も図り、G-CQOが任命する法規主監が現場に対して2線的監査を行い、G-CQOおよびCRO(最高リスク管理責任者)に報告する体制を整備。さらに3線的監査としてCROが内部監査室によるプロセス監査の実施を検討する。
このほか、認証業務に対する理解を深めるため、経営層から従業員まで、職責に応じて認証業務に対する教育を実施して順法意識を向上させるほか、認証試験現場へのマイスター制度の導入を検討するとした。
同社は「国交省の指摘によって、経営による認証業務への関与が不十分であり、多くの改善点があることを認識した。経営と現場が一体となり、正しい認証業務を実施できる仕組み・体制の見直しを速やかに進めていく」としている。今後、改善の取り組み状況は四半期ごとに国交省へ報告する。
この問題では、国交省の立ち入り検査で、これまで報告のあった7車種以外に、さらに7車種に不正があったことが発覚。同省は7月31日付でトヨタに、道路運送車両法に基づき、再発防止を求める是正命令を出していた。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com