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富士通、グローバルSCの変化対応へ意志決定支援

2025年7月3日 (木)

荷主富士通は2日、グローバルサプライチェーン(SC)での突発的な外部環境の変化に対応するため、損益への影響を迅速に算出し、最適な意思決定を支援する新たなサービスの提供を開始したと発表した。同社のオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS(DI PaaS)」の新機能として追加される。

新サービスでは、企業内外に分散するデータを統合し、市場変動などの影響が大きい製品を特定するとともに、損益インパクトを迅速に算出。従来は数週間を要していた影響分析を数日で行う。さらにAIエージェントによる対策提案を通じ、画面上でシミュレーションに基づいた最適な意思決定が可能になる。

具体的には、グローバルサプライチェーンで、市場変動などにより影響を受けているサプライヤーや工場を可視化し、どの製品がどのルートでどれだけの輸入コストが発生しているのかを提示する。これにより、利用者は自社の利益や原価構造を詳細に把握し、潜在的なリスクを特定できる

また、市場変動などで原価構造に変化があった場合、製品の価格変化が需要に与える影響を分析する価格弾力性モデルで、それぞれの製品の適切な販売価格をシミュレーションする機能もある。

輸入コストが高騰している調達先を変更する際の原価構造や利益の変化を分析し、サプライチェーンの最適化を支援する機能もあり、代替サプライヤーの選定や輸送ルートの変更といったオペレーションの変更による影響を、各領域の専門AIエージェントがさまざまな観点から評価し、オーケストレーターエージェントが総合的に判断する。これによって、利用者の迅速な影響分析と最適な意思決定を支援する。

近年、地政学的リスクや自然災害、市場の変動などにより、企業を取り巻く環境の不確実性は一段と高まっている。特に、グローバルに複雑なサプライチェーンを構築している製造業では、予期せぬ事象が事業活動に直接的な影響を及ぼすリスクが増しており、輸送ルートの変更や生産拠点の停止、コストの増加などが企業の収益を圧迫し、競争力を低下させかねない。

しかし、従来のサプライチェーン管理では、こうしたリスクに迅速に対応することが困難で、事業継続計画(BCP)の見直しやサプライチェーンのレジリエンス強化が急務となっている。

同社では「これまで培ったデータやAIなどのテクノロジーと業種の知見を融合し、予期せぬ事態が発生した場合でも、企業への影響を最小限に抑え、レジリエンスを強化する」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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