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少額輸入貨物免税措置見直し議論、財務省WG

2025年7月18日 (金)

行政・団体オンライン通販が増大する中、少額輸入貨物への免税措置の見直しを検討している財務省は18日、有識者らが適正な課税のあり方などを議論する「急増する少額輸入貨物への対応に関するワーキンググループ」(座長・田辺国昭東京大学大学院教授)の第1回会合の議事録要旨を公表した。参加者からは「課税の公平性を確保する観点から、少額免税制度を見直すことには一定の合理性があるが、税関・通関業者や消費者に過度な負担をかけないよう考慮すべきだ」といった意見が出された。

少額輸入貨物の免税措置は「デミニミス(非課税基準額)」と呼ばれ、もともと家族など個人間での国際的な荷物のやり取りを想定して設けられた。日本では現在、1万円以下の少額輸入貨物については一部を除いて消費税や関税が免除されている。

ところが、EC(電子商取引)サイトの普及によって、中国系のインターネット通販業者が免税措置を利用して、大量の商品を海外に輸送するようになり、各国政府が対応を強化している。消費税についてはEUやオーストラリア、シンガポールなどで既に廃止され、米国は今年5月、中国に対する免税措置を停止した。

12日の会合には、楽天やアマゾンなどEC業者やヤマト運輸やDHLジャパンなどの輸送業者、日本通関業連合会の代表らがオブザーバーとして参加。最初にオブザーバーへの意見聴取が行われ、「日本の商慣習や通関実務に即した日本方式の制度が導入されることを期待する」「輸入貨物が増えている中で、厳格な水際取締りを実現するには、通関業者とプラットフォーム事業者、税関の連携を強化する必要がある」などの意見が出された。

その後の委員の意見交換では「個人使用目的で輸入される貨物かどうかで取り扱いが違うことで、経済活動にゆがみが生じている。課税の中立性の観点からは、こうしたゆがみを生じさせるべきではない」などと見直しに前向きな意見が出された。また、「少額輸入貨物が急増し、税関も手が回らなくなると、不正薬物や知的財産侵害物品、健康被害を引き起こすような越境EC貨物が国内に流入しやすくなる。米国やEUではこうした貨物への対応が検討されているため、日本への流入リスクがさらに高まっていると感じる」などの懸念も指摘された。

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