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栗山米菓、パレット化率60%達成で荷役時間削減

2025年7月28日 (月)

ロジスティクス栗山米菓(新潟市北区)は28日、物流2024年問題への対応として進めてきた物流改革の成果を発表した。同社は23年11月から現場主導で改革を推進し、荷待ち時間の大幅短縮やパレット化率の向上など、具体的な成果を上げた。

▲パレット化したトラックの荷台(出所:栗山米菓)

物流業界の24年問題を受け、菓子業界では対策のための複数の会議体が発足。同社もこれらに参画し、業界の方向性を共有しながら自社の改善策を具体化していった。同社の取り組みは製品出荷のパレット化推進、荷待ち・荷役時間の短縮、賞味期限表示の年月化、そして地域メーカーとの連携による業界全体での改善活動に及ぶ。荷姿のパレット化では、従来の「バラ積み」から「パレット積み」への切り替えを段階的に進めた。商品サイズのガイドラインを策定し最適化を図った結果、幹線便におけるパレット化率は60%に達した。荷待ち・荷役時間については、積み下ろし場所「バース」の予約システム導入、パレット化による積載効率向上、賞味期限の年月表示化によるピッキング作業軽減などを実施。これにより平均時間を従来の3時間から1時間へと大幅に短縮した。

賞味期限表示の年月化では流通段階の業務効率改善や食品ロス削減を目指し、品質保証体制の変更や賞味期間維持のために改善し、年月表示への移行を進めた。現在では総出荷量の51%が年月表示品となっている。さらに、物流効率化は一企業の努力だけでは限界があるとの認識から、新潟県内の菓子メーカー6社が共同する「新潟菓子メーカー物流研究会」にも参画し、地域全体での物流改善に取り組んだ。

今後の展望として同社は、物流24年問題への対応にとどまらない。ドライバーの高齢化と労働力不足がさらに深刻化するの予測がある「物流2030年問題」を見据えた施策を展開する。具体的には、現在60%のパレット化率を80%まで引き上げる。商品サイズの最適化をさらに進め、生産ラインや設備の変更が必要な商品についても順次対応していく。また、賞味期限の年月表示化では、現在の対象商品をさらに10品拡大。流通段階でのピッキング作業負担軽減と食品ロス削減への貢献を図る。この取り組みにより、卸・小売業における作業効率の向上と、物流パートナーの負担軽減を同時に実現する。

(クリックで拡大、出所:栗山米菓)

地域連携も重視する。「新潟菓子メーカー物流研究会」を通じた取り組みを強化し、パレット単位での共同配送事例を増やしていく。これにより、個社では解決困難な物流課題に対して、地域全体で効率的な対応を図る。同社はこれらの施策を通じて、持続可能な物流体制の構築に取り組む方針だ。物流改革担当の阿部真也氏は「物流業務の大部分を外部委託している当社では、当初は問題意識が薄かったが、トラック不足の影響や研究会への参画を通して、お客様に商品を供給できないリスクが顕在化しかねないことが分かった。そこで、メーカーとして実施すべき事柄を整理し、製品開発、品質保証、製造、販売、管理に至るまで、全社横断で物流改革を推進した結果、大きく改善することができた。今後も変化に備え、社内外の力を合わせて改革を進めていきたい」とコメントしている。

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