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首都圏中型マルチ施設、物流企業の1棟借り77%

2026年10月14日 (水)

調査・データシービーアールイー(CBRE)は14日、首都圏の中型マルチテナント型物流施設(MMT)の賃貸市場を分析したレポートを公表した。MMTは大型マルチテナント型物流施設(LMT)と供給動向や空室率の推移で共通点がある一方、需要面では物流企業による1棟借りが多く、入居後のテナント定着率が高いことが特徴という。2026年第2四半期(Q2)時点のMMT空室率は10.7%まで低下した。

CBREはMMTを延床面積5000坪以上1万坪未満で、開発当初から複数テナントの利用を前提に企画・設計された物流施設と定義。首都圏のLMTとMMTを合わせた賃貸市場では、MMTは床面積ベースで10%にとどまるが、棟数では27%を占め、4棟に1棟程度がMMTに該当する。

新規供給は2018-25年の8年間で年平均6.7万坪。21-24年に供給が増え、22年には12.6万坪に達した。26年は2.0万坪まで減少し、27年も5.0万坪と過去8年平均を下回る見通しだが、供給自体は継続するとみている。18年第1四半期を100とした貸室面積の伸びは、26年Q2までにMMT、LMTとも2.7倍となり、両タイプでほぼ同じペースで市場が拡大してきた。

需要では、18-25年の平均新規需要が5.8万坪となった。入居テナントの業種別では物流業が78%を占め、利用形態では77%がシングルテナントによる1棟借りだった。物流企業による利用が多い背景についてCBREは、2024年問題を受けた配送拠点の集約・統合や、サプライチェーン強靱化を目的とした再編が続いていることを挙げる。1棟利用ではマテハン導入や内装工事がしやすく、敷地全体を使った独自の物流オペレーションを構築できる利点があるとしている。

施設形態は、トラックバースを1階のみに設けるボックス型が中心。このため大量保管を必要とする事業者や、上下階の搬送を自動化できる事業者に選ばれやすい。また、開口部が1階に限られることから、精密機器やブランド品など、セキュリティーを重視する貨物の保管需要も見込まれる。自社施設の老朽化や保有資産の圧縮を背景に、1棟利用を希望する物流企業の受け皿にもなっている。

空室率はLMTとおおむね同方向に動くものの、市況悪化時にはMMTの方が上昇しやすい。MMTの空室率は25年Q1に19.3%まで上昇し、同時期のLMTは11.1%だった。その後は両方とも低下し、26年Q2にはMMTが10.7%となった。一方、MMTは入居後の二次空室が少なく、18年Q1から26年Q2まで、二次空室が発生した物件の割合は一貫して5%を下回った。CBREは、1棟借りでマテハンなどへの設備投資を行うケースが多く、移転しにくいことが一因とみている。

今後の市場について、東京ベイエリアは27年までLMT、MMTとも新規供給がなく、既存物件の空室も限られるため、需給逼迫が続くと予測する。外環道エリアでは26年Q1時点でMMTの空室がなく、27年に予定する新規供給2棟についても堅調な需要を見込む。一方、国道16号エリアでは空室消化が進むものの、一部地域でリーシングが緩やかになる可能性がある。圏央道エリアもLMTの空室面積が26年Q4時点で20万坪を超える見通しで、MMTの空室解消には時間を要するとみている。

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