調査・データCBREが20日に発表した首都圏・近畿圏の大型マルチテナント型物流施設の市場動向(2016年7-9月期)によると、首都圏では9万3000坪の新規供給があり、12万坪以上の大量供給はひと段落した。新規需要は8万坪と引き続き強いものの、空室率は前期から上昇した。
空室率は、9.1%と前期に比べて0.2ポイント上昇。4棟のうち2棟が空室を大きく残して竣工したことに加え、過去1年以内に竣工した既存物件の空室が長期化していることも空室率上昇の要因となった。
残る2棟のうち1棟は満床で、もう1棟は1フロアのみを残して高稼働で竣工。首都圏の新規需要は今期も8万坪と、引き続き過去平均を上回る高水準を維持した。
首都圏を4エリアに分けた空室率では、「東京ベイエリア」が8.4%と前期から横ばい、「外環道エリア」は5.7%に低下した。「国道16号エリア」も7.1%と4エリアの中で供給が最も多いものの2期連続で低下した。一方、「圏央道エリア」では23.4%と前期からさらに上昇し、エリア間の格差が広がりつつある。
近畿圏では新規供給が2棟7万9000坪で、四半期ベースの過去最高を記録した。空室率は前期の1.9%から6.9%に大きく上昇したものの、新規需要は歴代4位の4万6000坪と、予想を上回る高水準となった。
(画像はCBRE、上・首都圏、下・近畿圏)