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首都圏の賃貸物流施設市場、空室率3.8%へ低下

2015年1月22日 (木)
首都圏大型マルチテナント型物流施設(出所:CBRE)

首都圏大型マルチテナント型物流施設(出所:CBRE)

調査・データCBREは22日、賃貸物流施設の1-3月の市場動向を発表した。首都圏は小売業界のネット販売の強化が需要をけん引し、3棟が満床で竣工、空室率も3.8%へ低下した。向こう6か月の竣工予定物件は6割のテナント内定率となっている。近畿圏は1棟が竣工し、空室率はほぼ横ばいの0.4%。需給バランスはタイトな状況続き、賃料の上昇傾向も鮮明になっている。

首都圏では2014第4四半期の大型マルチテナント型施設の新規供給は3棟で、すべて満床で竣工となった。2014年中に竣工した新築物件も徐々に空室が消化され、空室率は前期の4.9%から3.8%に低下した。

14年一年間の新規需要は19万坪超と過去最高だった13年(22万坪)に次ぐ規模。インターネット販売や小売業大手の需要が増えており、特にアパレル業界では、ネット販売への進出・拡充に伴う物流施設の進出・拡張を意図する企業の動きが盛ん。

成約賃料は、需要がひっ迫している地域ではリーマンショック後の時期から比べると10-12%ほど上昇しているエリアもみられる。これから竣工する物件では、工事費や資材価格の高騰の影響を受けてより高めの賃料設定となっているが、テナントサイドでも物件の立地や使い勝手を総合的に判断しており、競争力のある物件では賃料上昇をある程度許容する姿勢になってきている。

近畿圏大型マルチテナント型物流施設(出所:CBRE)

近畿圏大型マルチテナント型物流施設(出所:CBRE)

近畿圏も需要は好調で、新規に大型マルチテナント型施設1棟がほぼ満床で竣工。14年通年では、新規供給、新規需要ともに10万坪規模となった。空室率は0.4%と需給がひっ迫した状態が続いているため、賃料上昇傾向が鮮明になっている。

CBREインダストリアル営業統括部エグゼクティブディレクター統括部長の小林麿氏は、「首都圏・近畿圏ともに、今年竣工する物件のテナント決定率は好調。食品・アパレル業界などのeコマース対応は大企業から中堅企業へと広がりつつあり、物流施設に対する需要はまだ拡大する余地が十分ある」とコメントしている。