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運輸安全委、コンテナ船と漁船の衝突原因で報告書

2014年9月3日 (水)

調査・データ運輸安全委員会はこのほど、千葉県勝浦港沖で2013年1月23日に発生したコンテナ船「BAI CHAY BRIDGE」(バイチャイブリッジ)と漁船「第十八盛豊丸」の衝突事故に関する調査報告書を公表した。

この事故は、コンテナ船が京浜港に向けて南西進中、漁船が銚子港に向けて北北東進中、同日午後11時12分ごろ、千葉県勝浦市勝浦港東南東方沖で両船が衝突したもの。漁船側は乗組員4人が軽傷を負ったものの、乗組員全員がコンテナ船に救助され、船体中央部付近で分断。コンテナ船は船首部に擦過傷を生じたが、死傷者はいなかった。

運輸安全委は報告書の中で、事故原因について「夜間、勝浦港東南東方沖でコンテナ船が南西進中、漁船が北北東進中、(コンテナ船の)航海士がレーダーによる見張りを適切に行っておらず、また、(漁船の)船長がコンテナ船の動静判断を適切に行っておらず、コンテナ船との衝突のおそれがあると思って右転したため、両船が衝突したことにより発生した」と分析。

航海士がレーダーによる見張りを適切に行っていなかったことについては「操舵手との会話、他船間の交信の傍受に意識を向けていたことによる」と指摘した。

また、漁船の船長がコンテナ船の動静判断を適切に行っていなかったのは、コンテナ船の方位変化をレーダーの画面でカーソルを使用して観測するなどによって確認しておらず、コンテナ船の航海灯が見えにくい状況で目視によって見張りを行っていたことによるとの見方を示した。漁船の船長が衝突のおそれがあると思って右転したことについては「避航する場合、他船とは左舷を対して通過できるようにしなければならないと思い込んでいたことによる」と報告した。

■報告書の詳細
http://www.mlit.go.jp/jtsb/ship/p-pdf/MA2014-8-5-p.pdf