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バイオマス利用拡大で障害となるロジスティクス克服

DLD、薪の宅配サービスでグリーン購入大賞受賞

2014年10月22日 (水)

ロジスティクスディーエルディー(DLD、長野県伊那市)は、同社が展開する薪の宅配サービスが「バイオマス利用拡大の最大の障害であるロジスティクスに注目したユニークな取り組み」との評価を受け、グリーン購入ネットワークが主催する今年度のグリーン購入大賞(中小企業部門)を受賞することとなった。

同社が提供する薪の宅配システムは、ユーザー会員宅に専用の薪ラックを設置し、定量の薪を積み、使用分を巡回補給する仕組み。

「薪ストーブがほしいが、薪が手に入らないのであきらめた」という声がある一方、地域に余っている針葉樹の間伐材が薪に活用されていないといった現状を踏まえ、針葉樹の間伐材を薪に利用するシステムを構築した。

一般的には「薪ストーブには広葉樹の利用が適している」と考えられているが、燃焼実験を通して針葉樹の薪利用が可能であることを検証し、灯油の巡回補給と同じ薪の宅配補充システムの構築、曲り材や小径木を含むことによる原木の安定調達、バラ売りと地産地消によるコスト低減――といった対策を実施。これらによって課題を解決した。

利用件数と薪の販売量は年々増加し、暖房用化石燃料が薪に置き換わることで、CO2排出量の削減効果が見込まれるほか、地域の間伐材の利用拡大による森林整備促進、林業活性化、地域資源活用による雇用創出、福祉施設と連携した薪の生産による障がい者就労支援――といった社会的な波及効果がある。