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日立、中国に脱硝触媒の製造拠点、環境規制強化に対応

2011年6月14日 (火)

拠点・施設日立製作所は14日、中国で今後の環境規制強化による火力発電用脱硝触媒の需要増加に対応するため、脱硝触媒を製造する「バブコック日立(杭州)環保設備有限公司」を今月中に設立すると発表した。新会社は、2012年4月から脱硝触媒の製造を開始する。

 

中国は第12次5か年計画の中で、今後、環境規制を強化する方針を打ち出しており、今後、発電所からのNOx排出を抑制する必要があるため、火力発電所への脱硝装置の設置が拡大することに伴い、脱硝触媒の需要が2011年度から15年度にかけて急速に成長する見通しとなっている。また、中国は、脱硝触媒の原料となるチタン、タングステンなどの産出量が豊富であり、脱硝触媒の生産に適しているという側面もある。

 

こうした状況を見越し、日立は中国で調達、製造、販売を現地で一貫して行うことで価格競争力を高めるとともに、今後の中国での事業拡大を図るため、脱硝触媒を製造するバブコック日立(杭州)環保設備有限公司を設立することを決めたもの。

 

新会社(浙江省杭州市)の資本金は約10億円で、日立の子会社で発電用ボイラーや環境装置を製造しているバブコック日立が90%、日立の中国地区の統括会社である日立(中国)有限公司が10%を出資する。2012年4月から生産を開始し、その後、市場拡大にあわせて設備投資を行い、需要に迅速に対応していく。

 

日立の脱硝触媒は、バブコック日立が独自に開発した排ガスに含まれるダストが堆積しにくい板状構造が特長で、低圧力損失、高耐摩耗性、長寿命、窒素酸化物に対する高活性などが評価され、各国の火力発電所に採用されている。最近では、米国のアメリカンエレクトリックパワー社、サザンカンパニー社や、ドイツ連邦共和国のイーオン社などへの納入実績があり、シェアは世界トップクラス。

 

今後、中国市場の動向にあわせて、バブコック日立の最先端の製品・技術をバブコック日立(杭州)環保設備有限公司にも取り入れ、中国市場でのトップシェアを目指して事業を展開していく。