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日本郵船、燃焼室内診断ソフトを独自開発

2018年10月16日 (火)

ロジスティクス日本郵船は16日、同社傘下のMTIと共同で、エンジンの燃焼室内部を自動撮影する装置で得た画像データを活用して事故の予兆、不具合原因の早期特定につながる燃焼室内診断ソフトウェアを開発した、と発表した。併せて、小型シリンダーの内部も撮影できるよう装置を小型化し、操作性・利便性を高めた。

シリンダライナーとピストンに囲まれた燃焼室では、低温腐食や異常摩耗が重大トラブルを引き起こす可能性があるため、同社は燃焼室内部の隅々まで状態を詳細に把握できる装置として「きらりNINJA」を2015年に開発。

本船で活用を進めた結果、高温環境下の長時間におよぶ点検が不要になったほか、内部の詳細な状態を画像データとして蓄積できるようになった。

今回の開発では、画像データを運航状態や燃費、機器の状態などの毎時間の詳細な本船データを船陸間でタイムリーに共有するための装置「SIMS」や電子チェックリストなどの運航データと組み合わせ、状態をより高度に診断できるソフトを独自開発するとともに、エンジニアらの意見を取り入れて小型化し、利便性を高めた。

▲燃焼室内診断の独自ソフトウェアの画面

開発した燃焼室内診断ソフトは、画像を時系列で比較してシリンダー内部の状態変化を視覚的に確認できるほか、画像をつないで1枚の展開図にすることにより、一目でシリンダー内部全体の状態を把握できるようになった。

画像と運航データなどを並べて表示し、状態が変化した要因や運航データとの相関関係を推定したり、潤滑油の注油量や油膜形成の程度などを適正に判断したりといったことも可能。

日本郵船では「この独自ソフトウェアにより、大きなトラブルに発展する前に適切な予防措置を講じるだけでなく、機器の状態に基づいた合理的な保守整備を実現することで、安全運航とメンテナンスコスト削減が期待できる」としている。