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三菱ふそうが川崎集約PJ完了、今後は販売拠点改良へ

2019年3月18日 (月)

荷主三菱ふそうトラック・バスは18日、業務効率の向上と就労環境の改善を目指し、総額94億円を投じて取り組んだプロジェクト「キャンパスプラス」を完了し、今後は国内販売拠点の改良を進める「ミライ」プロジェクトを発足させて年内に最大50億円を投資すると発表した。

キャンパスプラスでは、川崎地区で3拠点に分かれていた事業を川崎工場第一敷地内に集約し、工場内の既存設備を刷新。新社屋5階に商品企画、計画、本社を配置し、4階と3階の開発部門ではコネクティビティ、自動運転、先進安全技術、電動化技術を開発、2階と1階のデザインセンターでは、ふそうブランドとダイムラー・トラック・アジアとして協業するダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社のインド市場向けブランド「バーラト・ベンツ」のデザインの一部を手がける。

工場内の既存オフィスもプロジェクトの一環として広々とした作業スペースや従業員間のコミュニケーションを促すレイアウトを取り入れ、ジム設備を新設。シャワー、社員食堂の全面改装をするなど、働きやすい環境と従業員の健康を促す。

新社屋の竣工とキャンパスプラスの投資完了を祝うために来日したダイムラー・トラック兼バス部門マーティン・ダウム取締役は、リニューアルを終えた川崎工場についてこう話す。

「川崎工場はDTAが展開するグローバル生産施設の中心的な存在だ。ダイムラー・トラック部門の中で、技術のグローバル連携、製品開発ネットワークの重要な柱となっている。今回の投資完了により、川崎工場は商用車業界で最高の職場のひとつになった」(マーティン・ダウム・ダイムラーAG取締役、ダイムラー・トラック兼バス部門代表)

今後は国内販売拠点改善を目指すミライプロジェクトに着手し、人口減少と急速な都市部への集中によって変化する顧客ニーズへの対応を進めていく。

具体的には、2017年に国内販売拠点で開始した「リテールエクセレンス」活動の一環として、整備業務のプロセス改善と販売部門社員への意識改革を促進。改装、再建、移転の3つをコンセプト化した「3R」に基づき、すべての販売拠点を評価し、設備と施設の改良を行う。

19年中には苫小牧(北海道)、郡山(福島県)、北板橋(東京都)、星崎(愛知県)、姫路(兵庫県)、松山(愛媛県)、鳥栖(佐賀県)の7拠点で改装の完了を目指す。

このほか、国内で電動化の進展に備えるため、全国の拠点に急速充電設備などの電動車両対応設備の導入も計画。三菱ふそうのハートムット・シックCEOは、ミライプロジェクトの意義について「国内商用車業界で顧客へのサービスを最重要視する当社のコミットメントを明確に示すものだ。新しい設備と施設により、全国の顧客により優れたサービスを提供し、顧客のビジネスを支援する」と説明している。