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オリックス不動産、関西物流要衝に貴重な大型物流施設を開発

次代の物流を構築する高槻ロジスティクスセンター

2025年5月30日 (金)

話題大阪を中心とした関西・近畿エリアの巨大消費圏の施設開発に注目が集まっている。EC(電子商取引)市場の活性化などで、大きな消費地に近いエリアの拠点再編が進められるなか、関西をターゲットとした物流要衝となっているのが、大阪の北摂地域である。

これまでの大阪の物流施設集積地といえば、港湾エリアなど生活エリアと隔絶した地域が思い浮かぶ。しかし、消費者に多様な商品をより早く届けることを重視した配送サービスの変化は、大阪内陸部、生活圏至近での施設開発ニーズを急速に高め、なかでも複数の交通インフラが集中する大阪北摂地域は、物流適地としての人気が高い。

そんな北摂の中核都市、高槻市で開発された「高槻ロジスティクスセンター」は、関西を起点とした配送需要に応える最新の大型物流施設である。

▲「高槻ロジスティクスセンター」完成予想図

オリックス不動産物流事業部第二課課長の松本光右氏は、「高槻市は、大阪と京都という2大商圏のほぼ中央に位置。2つの街の衛星都市、ベッドタウンでもあるだけに、まさに最終配送ターゲットに直結する拠点構築が可能」と語る。

希少地の物件供給、チャンスを見逃すな

高槻ロジスティクスセンターは、敷地面積2万9347平方メートル、延床面積6万3262平方メートルの地上4階建て大型施設で、6月末の竣工を予定する。「まずは、これだけの区画をこの高槻に確保できたこと自体、デベロッパー冥利に尽きる」と松本氏は語る。

▲物流事業部第二課の松本光右課長

商業地や住宅地に近接する立地は、消費圏のど真ん中からの物流再編に抜群のポテンシャルを秘めている。小口多頻度化やスピードが求められる配送拠点として最適だ。「それだけに、新たな建設用地が供給されるタイミングは希少であり、高槻ロジスティクスセンターのような、機動力のあるスロープを備えられるまとまった区画の開発は、今後いつになるかわからない」(松本氏)。利用する事業者にとっては、希少な物流適地の運用ができるまたとない機会が到来したといえる。

4階建ての施設は、1-2階と、3-4階をメゾネット方式で利用できる構造。1階バース部分と、スロープで接車できる3階にもバースを用意する。フロアごとに3区画まで分割できる構造で、最大6テナントまで入居が可能。最小区画となる2500坪程度の利用から、よりスケールの大きな運用まで、多様な規模の運用が想定できる。各階への垂直移動には、区画ごとに1基ずつ、1フロアに計3基ずつの垂直搬送機と荷物用エレベーターが設置され、安全性の高い保管能力と、迅速な荷物移動を両立できる。精密機械や半導体、医療機器や医薬品など丁寧な取り扱いが必要な商材や、食品、アパレル、日用雑貨、ECニーズへの対応など、最新施設を利用したそれぞれに最適な拠点運用を検討できるだろう。

配送、雇用と「物流適地・高槻市」の特性を最大限に活用

施設の物流機能を支える交通インフラは、関西の主要国道(171、170、1号線)への優れたアクセス性能とともに、新名神高速道路・高槻インターチェンジ(IC)へ6.5キロ、名神高速道路・茨木ICへ7キロという利便性で、関西エリアのみならず広域を見据えた物流構築にも対応する。今後新名神高速道路の全線開通によって名古屋と神戸間の機動力が高まることで、東西の主要拠点に向けた広域配送サービスの品質も大きく向上するだろう。

▲周辺広域図(クリックで拡大)

こうした交通インフラを基盤とした物流適地として高槻市と比較されるのが、西に隣接する茨木市である。茨木の北部エリアには産業団地が造成されたこともあり、近年は新規物流拠点の集積も著しい。大型の開発プロジェクトも相次ぐ茨木施設と、高槻施設とを比較、検討している事業者は多いという。

松本氏は、「高槻施設は、なんといっても人材の確保面で優位性がある。施設開発においても、人が集まりやすい施設作りにこだわった」と語る。茨木市の人口28万人に対して高槻市の人口は35万人と、豊富な労働人口を有する。高槻の中心を形成するのは、阪急線・高槻市駅と、JR線・高槻駅の近接する2駅。どちらの駅も大阪と京都を結ぶ鉄道路線の特急・快速クラスが停車する主要駅で、駅周辺にはデパートや映画館、商店街なども集まる。周辺地域からも人々が集まる中心地の賑わいは、高槻ならではの特長だ。求人倍率も、高槻市は1倍未満。北摂物流施設の開発を契機に人材派遣会社も参入し、働く側にとっては、時給面など物流施設で働く環境が整えられたことも、人材確保の優位性を高めている。

▲カフェテリアのイメージ

通勤のための交通インフラが脆弱な新規事業開発地に建設された施設では、雇用確保のために入居テナントが送迎シャトルバスを用意するなどのコスト負担が伴うケースもあるというが、高槻ロジスティクスセンターへはこの高槻市駅、高槻駅の主要2駅を起点とした路線バスを利用して、10分前後でアクセスが可能。さらに自転車やバイクなどの通勤利用も多いというニーズに合わせて、189台分の駐輪・バイク置き場も設置した。「4階フロアには、入居者の共有スペースとなるカフェテリアを用意、100人を収容できるくつろぎの場所とした」(松本氏)という。日常の生活やショッピングのエリアに近接した働きやすさと、最新施設としての快適さは、そこで働く人々目線の魅力にあふれた施設の付加価値となっている。

就労者目線で、働く人々を大切にする施設開発の姿勢は、施設内利用者だけではなく、トラック運転手のための休憩室やシャワーブースを別棟に用意したことにも表れている。ドライバーは男性などという古い固定概念にとらわれず、男女別の休憩室にするなどの配慮も、ポスト2024年にふさわしい物流施設としての取り組みといえるだろう。

免震機能備えた最新施設ならではの心強さ

施設内で働く人々の環境整備では、地震への備えなども、拠点選びにおける重要な要素であり、「南海トラフ地震が遠からずやってくることを織り込んだリスク対策は不可欠」(松本氏)。大阪府下で大きな被害が予想される巨大地震においては、作業者の安全とともに、物流を止めないことで社会に貢献できるBCP対策にも万全の備えが必要だ。

「高槻ロジスティクスセンターでは、一般的な耐震構造ではなく、免震構造を採用。施設内の保管物や設置機器などの落下や荷崩れ、破損を防ぎ、入居企業の事業継続をサポートするとともに、大切な働く仲間たちの命を守る上でも、最新の機能を用意した」(松本氏)。停電時でも24時間稼働する非常用電源や、防災倉庫、浸水リスクを想定した仕様など、非常時の物流を支える頼もしい拠点となる。

▲高槻ロジスティクスセンターは免震構造を採用(クリックで拡大)

「老朽化した施設や、湾岸エリアからの移転などを検討する上で、南海トラフ地震についても見て見ぬふりしないことが大切」と松本氏は訴える。施設選びの時点でしっかりと地震に強い施設を検証し、施設性能という基盤の上に、それぞれの安全対策を日常から積み重ねていくことが求められると指摘する。

高槻市に根付く、これからの時代にふさわしい物流施設に

さらに時代は、物流効率化だけではなく、環境負荷低減の具体的な活動、CO2排出量削減が企業価値として評価される局面へと移行している。

高槻ロジスティクスセンターも、屋根上に太陽光発電を設置して電力を自家消費できる仕組みを構築している。施設への太陽光発電の設置自体は珍しいものではなくなったが、「オリックスグループ一丸となって入居企業の脱炭素に向けた体制づくりや取り組みをサポートできるのが強み」だと松本氏は語る。施設の太陽光発電だけで賄えない使用電力については、オリックスグループとして提供する非化石証書付き(トラッキング付き)の電力で補填することも想定する。入居企業にとっては100%再生可能エネルギー由来の電力で事業を運営する、環境にやさしい企業としての価値を創出することにも貢献する。

高槻の「槻」の字は、けやきの木の古名だという。けやきは高槻の市民の木としても親しまれ、駅前の「けやき通り」をはじめ、市内各所にけやきの名を冠した施設が点在する。高槻ロジスティクスセンターも、「施設の敷地内に、1本のけやきを植え、施設と地域とを結ぶ象徴として大きく育てていく」のだという。地域の人々がそこで働き、仕事終わりには地元で食事や買い物をして家路につく。そんな高槻市のごく当たり前の生活の一部になる施設が、高槻ロジスティクスセンターなのである。

「高槻ロジスティクスセンター」概要

所在地:大阪府高槻市下田部町2-7
敷地面積:2万9347平方メートル(8878坪)
延床面積:6万3262平方メートル(1万9137坪)
建物規模:地上4階建(1階・3階バース)
アクセス:新名神高速道路・高槻ICから6.5キロ、名神高速道路・茨木ICから7.0キロ、阪急京都線・高槻市駅から2.1キロ
そのほか:免震構造、カフェテリア(4階東側)
完成予定:2025年6月末