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ワールド・ロジ、資金調達へ新株予約権割当て打開狙う

2012年8月27日 (月)

話題ワールド・ロジは27日、コア・パシフィック山一インターナショナル(香港)社に対し、新株予約権を割り当てると発表した。発行価額は1個につき4万1400円で、43個(12万9000株)を割り当てる。新株予約権が行使された場合の資金調達額はおよそ2億円。

 

同社は前6月期決算で58億8500万円の債務超過に陥っており、現在も毎月1800万円の資金が流出、手元流動資産が減少し続けているため、早急な赤字運転資金の手当てが不可欠となっている。

 

しかし、主力の3PL事業における物流コンサルティングや、倉庫内作業運営のノウハウをフルフィルメントサービス事業では「従業員がノウハウを保有している」ことから、「単純なリストラクチャリングは今後の事業再生や成長戦略に大きな支障を生じさせる」と判断。

 

そこで、事業継続と合理化策を両立するため、荷主や協力物流企業に対し、物流管理者の派遣や出向の形で取引を継続してもらいながら、人材喪失によるノウハウ流出リスクを抑えるための交渉を進めている。

 

一部荷主は、こうした取引を受け入れているが、交渉がまとまっていない取引先もあるほか、計画通りにシフトしたとしても赤字運転資金の流出が止まるには12月頃まで時間を要する見通しとなっている。

 

また、計画通りに合理化策が進まない場合、赤字運転資金の流出が止まらない可能性が高く、そこで新たな資金調達を行えなければ資金ショートとなるリスクを抱えている。

 

ただ、債務超過に加えて浮動株の時価総額が「上場廃止基準に抵触するおそれがある」とされる1億5000万円を下回っており、資金調達手段がかなり限定される状況となっている。第三者割当増資の道も探ったが、「財務状況などから引受先を確保することは難しく理解を得られるには至らなかった」として、複数の見込み先との協議も不調に終わった。

 

そこで、コア・パシフィック山一インターナショナル(香港)社と第三者割当増資の引受けについての交渉を行ったところ、同社から「債務超過のため新株式の引き受けは難しいが、新株予約権であれば引受可能」との回答を得たため、発行を決めた。

 

新株予約権によるファイナンスであることから、割当段階では資金を調達することはできないが、「株価が行使価額を上回っている場合」には権利行使が進み、ワールド・ロジが想定する資金を調達できる可能性がある。

 

■ワールド・ロジ

[googlemap lat=”34.693007″ lng=”135.493652″ align=”undefined” width=”440px” height=”240px” zoom=”10″ type=”G_NORMAL_MAP”]ワールド・ロジ(大阪府大阪市北区中之島3丁目3−23 中之島ダイビル)[/googlemap]