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アリババ傘下の菜鳥網絡が日本市場参入表明

2020年11月11日 (水)

拠点・施設アリババグループで物流機能を受け持つ菜鳥網絡(ツァイニャオネットワーク)は11日、東京、横浜、大阪、神戸に物流拠点を開設し、日本市場に参入したと発表した。

日本国内向けの輸送と日中間の国際物流サービスを日本企業に提供することを狙ったもので、企業の大規模なセールスイベントに向けて、事前に貨物配送スペースと倉庫に事前保管する在庫を確保する意図もある。

▲菜鳥のスマート倉庫

横浜に1万平方メートル、神戸に1.9万平方メートルの倉庫を確保し、WMSを導入して日本国内向けの輸送と、中国向け輸出の出荷前品質管理、事前処理、梱包業務を行う。横浜・神戸の拠点は企業間取引(BtoB)業務を管轄する。

東京と大阪の倉庫はそれぞれ2万平方メートルと1.3万平方メートルで、BtoC取引で生じる商品の輸配送をカバー。東京の倉庫は成田、羽田空港にそれぞれ10キロ以内と近い立地となるよう、2か所を開設した。

国際輸送は横浜・神戸から中国の寧波・上海に向かう週10便の貨物船と、日中間をデイリー運航する貨物専用便を活用し、航空便と船便の両方に対応する。

同社は日本通運、4PX、シノトランス、宏遠グループと提携し「ファーストマイルとラストマイル輸送の追跡リソース」を提供することで、日本、中国の両国で通関手続きの迅速化を図っている。

同社では「日本市場で菜鳥の物流サービスを利用し、配送効率を40%引き上げ、輸送でのリードタイムを18-22日から11-13日に短縮できた企業もある」と実績を強調。損害が発生した場合には2営業日後に10万人民元(150万円)を上限に補償保険金が支払われる体制も整えているという。

物流巨人、ついに上陸

本年屈指のビッグニュースだ。アジアの物流巨人である菜鳥網絡(国内のアリババ取引先企業内ではナトリという通称が一般的)が日本国内に拠点を設けた。5年ほど前から計画はあったと承知していたが、なかなか実行されなかったので、今回の報は感慨深い。

今後の展開に期待することや国内市場への影響などについては、コラムとして別掲するつもりだが、これでアマゾンロジ(=アマゾンジャパンロジスティクス、2016年にアマゾンジャパンと統合)と双璧をなす物流技術集団が日本国内で揃い踏みとなる。

従来からの親交企業である日本通運は、かたやでアマゾンとも蜜月となって久しい。米中の両巨人と日本の巨人が、今後どのように協業の度合いを深めてゆくのかにも注視したいところだ。

圧倒的な合理性と簡素化・単純化の極限に挑み続けるIT集団の物流作法は、アマゾン同様に国内EC企業にとって興味と魅力に満ちたものであるし、物流各社は脅威として警戒するだけではなく、提携をはじめとする接触を図ることも前向きに検討すべきだ。わずかでも折り合える要素が見いだせるなら、各社例外なく得るものがあるはずだ。

もうひとつの国内親交企業であるトランスコスモスの動向も気になるのだが、既提携の国内企業や新規提携先の動きからも目が離せない。(企画編集委員・永田利紀)