ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

前川製作所、空気冷凍システムの導入事例公開

2025年7月30日 (水)

調査・データ産業用冷凍機などを手掛ける産業機械メーカー、前川製作所(東京都江東区)は29日、同社の空気冷凍システム「PascalAir(パスカルエア)」がシズオカコールドストレージ(静岡県焼津市)の冷凍マグロ倉庫に採用されたとして、導入事例を公式サイトで公開した。

PascalAirは空気冷凍サイクルを用いて超低温領域(マイナス100-マイナス50度)を作り出す冷凍機で、オゾン層破壊係数(ODP)、地球温暖化係数(GWP)がゼロで地球にやさしいのが特長。マグロやカツオの保管冷蔵庫のほか、家電リサイクルの凍結破砕、半導体や医療・医薬品製造など超低温が必要な分野で活用されている。

シズオカコールドストレージは、マルハ長谷川水産とケーフーズの2社が、マグロ保管用冷蔵倉庫の不足という課題を解決しようと、2022年6月に設立した。PascalAirの本稼働からは1年になる。また、今月から、日本で初めて超低温用冷蔵庫を活用した需給調整市場向けデマンドレスポンス(DR)を開始した。

▲保管されている冷凍マグロ(出所:マエカワ)

倉庫事業の計画当初は投資回収のスピードから、フロンを使った設備の導入を検討していたが、政府が「カーボンニュートラル宣言」を発表したこともあり、「目先のコストでフロン設備を選んでも、数年後には規制で使えなくなるかもしれない。それなら最初から環境に優しい選択をしたい」と考え、PascalAirの導入を決めたという。また、自然冷媒を使った冷凍機の導入によって、環境省の補助金も活用できた。

PascalAirは配管が少なく、構造がシンプルで、庫内にクーラーも設置されていないため、点検や修理、日常的な霜取りといった作業が少なく、現場からも「扱いやすい」との声が上がっている。電気料金も当初想定より抑えることができた。

DRは、電力需要が高まった際に消費者側で電力使用量を抑制・調整する仕組みで、電力供給がひっ迫したときには、マイナス60度に冷凍されたマグロが保冷材のような役割を果たすことで、庫内の温度を保ち、電力の使用量を抑制する。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。