国内熊本県大津町と小国町に拠点を構える運送会社「サトウロジック」は17日、初めて導入した2編成の21メートル連結トラックに創業の地である小国町と南小国町をPRするラッピングを施したと発表した。今月9日に両町の町長も参加する「お披露目式」を開催、当面は熊本‐大分間で包材輸送に従事する。
同社が21メートル連結トラックを導入したのは、輸送効率の向上を図るとともに、輸送需要の高まりと将来のドライバー不足に備えるのが目的で、輸送力を1.8倍に引き上げることで積載容量に余裕をもたせ、荷物や輸送ルートに応じてトレーラー部分を切り離すなど、運用の柔軟さを確保。将来的には九州一円にラッピングトラックの活動範囲を広げ、地元の観光PRに一役買う考え。
2編成の連結トラックは、連結された状態で一体感のあるデザインを基本としながらも、切り離した状態でも不自然にならないよう工夫した。1台に小国町出身でのペスト菌を発見した細菌学者・北里柴三郎や「わいた温泉郷」をデザイン。別の1台には南小国町の黒川温泉でパワースポットとして知られる「押戸石の丘」や、文永11年(1274年)の元寇の役に際して執権家の一族・北条時定が国土安泰を祈願して建立したといわれる「満願寺」をあしらった。

(サトウロジック提供)

(サトウロジック提供)
乗務するドライバーも両町のPRに積極的だ。小国町のPRデザインが施されたトラックに小国町出身のドライバー、南小国町デザインのトラックには南小国町出身のドライバーにそれぞれ乗ってもらうことで、「誇りを持って自らが生まれた町のPR役を担えるよう配慮した」(同社)という。
当初は自社事業のPRをデザインするつもりだったが、佐藤栄磨社長が「豪雨被害や新型コロナウイルスの感染拡大で地域に落ち込みムードが広がる中、地元に何か貢献できることはないかと考え、小国町と南小国町に提案した」(同社)。これまでもサッカーJ3「ロアッソ熊本」のオフィシャルトップパートナーを務める関係で、選手の肖像をデザインしたことがあるというが、今回は同社が全額費用を負担する形で地元を宣伝することになった。

(サトウロジック提供)