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アイリスオーヤマ、マスク供給強化へ阿見町に新倉庫

2020年11月19日 (木)

拠点・施設アイリスオーヤマ(仙台市青葉区)は19日、世界的な新型コロナウイルス感染の拡大と長期化に対応するため、宮城県角田工場で現在の家庭用マスクに加え、医療機関で不足している「医療用N95マスク」と品薄状態が続く「除菌ウェットティッシュ」を生産する、と発表した。併せて、つくば工場(茨城県阿見町)の敷地内に生活必需品の備蓄倉庫として「第2倉庫」を増設し、「有事に安定供給できるサプライチェーン」の構築を図る。

当初は中国の大連工場と蘇州工場の2拠点でマスクを生産していたが、角田工場にマスク生産設備を導入したことで、現在は国内に月2億3000万枚を供給できる体制が整っている。

中国で感染が拡大した際にマスクの重要な資材となるメルトブロー、スパンボンドなどの不織布が調達困難になった経緯を踏まえ、角田工場内に資材製造設備を導入することで内製化率を高め、中国一国に依存する供給体制を見直した。

一方で、新型コロナウイルスの第3波やインフルエンザを含めた冬の流行が想定され、医療提供体制の再構築と感染症対策が急務となっている。新型コロナウイルスが各国で拡大したため、医療用N95マスクは世界的に不足が続いていて、特に医療機関ではN95マスクの使用が推奨されているにもかかわらず、多くの市中病院で入手しにくい状況を改善できないでいる。

そこで、同社は医療用N95マスクと除菌ウェットティッシュを国内で生産するとともに、マスクを中心とした新型コロナウイルスの感染対策、生活必需品の備蓄倉庫として活用するためつくば工場の敷地内に、第2倉庫を増設することで「今後グローバル規模で物流に混乱や遅延が生じるような非常時でも、国民が健康で安心な生活を営む上で重要な製品を安定供給できる」(同社)ようにする。

つくば工場第2倉庫の建設には25億円を投資し、延床面積1万7833平方メートルの倉庫棟を建設。新規に50人の要員を雇用し、2021年度中の完成を目指す。