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関東運輸局、SGモータースの指定整備資格取消し

2021年2月22日 (月)

行政・団体関東運輸局は25日、自動車整備事業者でSGホールディングス傘下のSGモータース(東京都江東区)東京店に対し、自動車整備事業の指定を取り消す。同時に道路運送車両法違反に基づき、自動車特定整備事業の25日間停止と自動車検査員3人の解任も命じた。

運輸局によると、同社の東京店(千葉県市川市)に立入監査を実施した結果、1台の不正改造車両と14台の車両について点検整備をまったく実施せずに車検手続きを行ったほか、1台の不正改造をほかの認証工場へ依頼したことが明らかになった。

これに対し、SGモータースは「東京店、東京店新砂工場で、不正改造車への保安基準適合証の交付、自動車検査登録制度で定められた手順を逸脱する違反行為などを行い、この度千葉運輸支局、東京運輸支局から、道路運送車両法に基づく自動車整備事業関連の処分を受けた」と違反内容を認め、「法令順守に対する意識が著しく低下していた」などと釈明。

「お詫び」を表明した上で、「処分を厳粛に受け止め、二度とこのような事態を招かぬよう、コンプライアンス、関係法令を順守する仕組みを再構築し、全社一丸となって再発防止に万全を期し信頼回復に努めていく」とのコメントを出した。

監査を受けた同社は2020年3月16日にで外部弁護士で構成する社外調査委員会を設置し、東京店の不正事案の有無を含めた調査を実施した結果、(1)不正改造車に適合証を交付した(2)取引業者に不正改造車の整備を一部外注した(3)自動車特定整備工場で点検整備した車を、指定自動車整備工場で完成検査のみを行い適合証を交付した——の3項目にわたる違反行為を確認した。

このうち不正改造に関する違反の対象は1台で、すでに該当する車両は保安基準適合状態に改善。また、自動車特定整備工場で点検整備した車両を指定整備工場で完成検査のみ行った車両については「点検整備は適切に行われているが、本来の指定整備の流れからは逸脱していた」という。

こうした不正に至った原因については、「自動車検査員などへのコンプライアンス教育が不十分であったため、法令順守に対する意識が著しく低下していたことや、保安基準に関する知識が不足していた」「入庫した車両に不正な改造か所が確認された場合の手順書が整備されておらず、担当者ごとの知識や経験に依存していた」「近年の整備台数の増加に対し、自動車検査員などの作業負荷、業務処理能力を定量的に把握できておらず、自動車検査員などの適正な人員配置ができていなかった」などと分析。

不正の再発防止策として、外部有識者による関係法令や整備事業に特化したコンプライアンス浸透教育を実施することや、指定整備の業務フローを見直した上で、整備関連規程の改定を実施し、不正改造車の全面的入庫禁止、整備を拒絶する体制の確立、完成検査場などへの監視カメラの設置——など、完成検査を事後的に検証できるようにする体制を確立するとともに、自動車検査員などの総労働時間や工数などから作業負荷を見える化し、人員、設備に合わせた入庫計画を業務量に応じて調整できる体制を構築していくこととした。

■処分対象
SGモータース東京店
(1)2021年2月25日から25日間、自動車特定整備事業の資格を停止
(2)2021年2月25日に指定自動車整備事業の資格を取り消し
SGモータース新砂工場
2021年2月25日から35日間、自動車特定整備事業の資格を停止