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新時代の物流施設を最大規模で創出、ESR東扇島DC

2021年5月27日 (木)

拠点・施設川崎市の東京湾岸エリア・東扇島に、物流施設としては日本最高層クラスの9階建て(倉庫8層)マルチテナント型物流施設「ESR東扇島ディストリビューションセンター(DC)」第1期の建設工事が、2023年3月の完成を目指して着々と進む。延床面積は国内最大級の36.5万平方メートル(11万坪)、施設全体で実に4000人規模の雇用創出を見込む。

バースが貨物自動車運送事業法の「車庫」対応

延床面積11万坪のうち共用部分を除く賃貸可能面積は9.1万坪で、最小賃貸区画は1480坪。1フロアを最大6区画に分割可能で、最大48社が入居できる。

▲ダブルランプウェイと中央車路を採用

建物は免震構造で上り・下り専用のランプウェイを結ぶ中央車路・バース式によって各階へ一方通行でアクセスするつくりとなっている。1階は中央車路の両サイドに加え、建物外周部の両面にもバースを設け、一方のバースを高床、反対側のバースを低床とする。2階以上は中央車路の両サイドに設けた高床バースのみ。特に6階以上はバース部分を貨物自動車運送事業法上の「車庫」として利用できる珍しい仕様を実現する。すべてのフロアのバースを、45フィートコンテナトレーラーが乗り入れ可能な仕様とし、港からのコンテナ需要に対応する。

倉庫内の柱スパンは、間口11メートル×奥行き11.25メートルの幅広さを確保。また、1階は冷凍冷蔵倉庫需要も想定し、有効高6.5メートル、床荷重2トン(1平方メートルあたり)に設定した。

開発地は川崎港に隣接、首都高速道路湾岸線東扇島ICから1キロと東京都心や首都圏の広域交通網に接続しやすく、横浜港も15キロ圏内に収める。また、羽田空港へも10キロで到達するなど、陸海空の物流インフラが整う好立地。2021年度中に羽田連絡道路が、23年には川崎港臨港道路東扇島水江町線がそれぞれ開通し、羽田空港、川崎内陸部、首都高横羽線方面へのアクセスがさらに向上する。

物流施設としては異例のアメニティ計画が進行中

「HUMAN CENTRIC DESIGN.」(人を中心に考えたデザイン)を基本理念に掲げるESRの最新の大型開発物件にふさわしく、物流施設の概念を超えるランドマークとしての洗練された外観、同社の延床3万坪以上の施設で標準装備としているラグジュアリーなインテリアのラウンジ、ショップ、託児所に加え、最新拠点の最上階には、東京湾を一望できる空間を用意し、ダイニングルーム、バー、といったハイレベルな新機能も検討している。

▲ラウンジの完成イメージ

このほかワーカー(施設勤務者)の利便性を考慮し、JR川崎駅との間を25分で結ぶ送迎バスを同社で運行することを計画している。敷地内にはランドスケープデザインを取り入れ、この地にふさわしい多種多様の樹木と花の植栽や、遊び心のある空間や散策路など、緑あふれる憩いのコミュニティ空間を創る。さらに環境配慮型照明システムの導入や、屋上には5メガワット規模の自家消費型太陽光発電システムを設置するという。

詳細は未定だが、第1期棟の建設工事と前後して第2期棟の開発計画も2025年の完成を目標に進行しており、こちらも敷地面積6万6127平方メートル(1万9990坪)、延床面積30万6000平方メートル(9万2504坪)と巨大物流施設となる見込み。巨大物流施設2棟が連なるランドスケープは圧巻で、同社のスチュアート・ギブソン社長は地鎮祭で「ESR東扇島DCは自身の子どものように愛おしく、特に思い入れがある。土地を購入してから4年間、いくつもの壁があったが、すべてのステイクホルダーに納得いただけるよう、チーム一丸となって誠心誠意取り組んできた」とコメントしている。

■完成イメージ映像

■ESR東扇島ディストリビューションセンター(第1期)の施設概要
所在地:川崎市川崎区東扇島21
敷地面積:7万7725平方メートル(2万3512坪)
延床面積:36万5385平方メートル(11万529坪)
着工:2021年3月
完成:2023年3月31日
構造:9階建て、免震構造、PCaPC造
用途地域:商業地域
企画設計・マスタープラン・基本計画:ESR(スチュアート・ギブソン氏、武田諭氏、松谷将幸氏)
設計・施工:東急建設

■アクセス
車:首都高速湾岸線「東扇島IC」から1キロ
バス:川崎市バス「東扇島東公園前」下車徒歩4分(バス停まで「川崎駅前」から40分)※ESR東扇島DC-JR川崎駅の送迎バスを運行予定