調査・データ通信販売を利用したことがある人の85%が荷物受取の時間指定をしたことがあるが、その半数は指定時間に受け取れなかった経験もしていた――。インターネットマーケティング会社NEXER(ネクサー、東京都豊島区)が4月29日に発表した調査結果で、こんな悩ましい状況が分かった。「時間指定」は再配達を削減して物流を効率化する方策で、政府も奨励しているが、十分な効果を上げるには課題がありそうだ。
この調査は同社の調査サービス「日本トレンドリサーチ」で、全国540人を対象に4月24~26日に行った。
それによると、「通販などの荷物を受け取るときに、時間指定をしたことがあるか?」との質問に、85.2%の人が「ある」と回答した。「ある」と答えた460人に「どのタイミングで荷物の受け取りの時間指定をするか?」を複数回答で尋ねたところ、「注文するとき」が73.0%、「不在通知を受け取った後」が35.2%だった。
そして、「指定した時間に荷物を受け取れなかったことがあるか?」という質問に対しては、460人のうち「ある」と回答した人が49.6%と約半数に上った。年齢別では50歳代以下の年代で半数またはそれ以上の人が「ある」と答えていた。
(出所:NEXER)
受け取れなかった理由については、記述式で次のような回答があった。「バイトの終了時間がいつもより延びてしまって受け取れなかった」(20代・女性)、「トイレに行っていた。入浴していた。テレビ番組がもりあがっていた」(60代・男性)、「掃除機をかけていてチャイムが聞こえなかった」(10代・女性)、「家にいたはずなのに、不在票だけ入っていた」(30代・女性)、「道が混んでいたらしく配達業者が時間に間に合わなかった」(50代・女性)。
ネット通販の拡大による宅配便の取り扱い個数の増加や、トラックドライバーの深刻な人手不足に対応するため、国土交通省は再配達の削減を推進しており、受け取りの「時間指定」を呼びかけている。
同社は調査結果をもとに、「指定した時間に荷物を受け取れない原因は、受け取り側だけでなく配達業者の事情によるものも多かった」とした上で、「置き配やコンビニ受け取りを使ってはどうか。配送業者によっては配達前の通知サービスを提供している場合もあり、活用してみては」と提案している。
■調査結果の詳細
https://trend-research.jp/14339/