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DX化に既存システムがネックに、SHIFTが指摘

2022年7月5日 (火)

(イメージ)

調査・データソフトウエアの品質保証やテストを営むSHIFT(シフト)は5日、物流業界で経営やシステム開発に携わる役職者を対象に、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する調査を行ったと発表した。調査の結果、既存のシステムと人材不足がDX推進のボトルネックとなっている疑いがあり、既存システムが抱える問題を解決しないまま最新技術を導入してもうまくいかない可能性が高いという。

調査は、2021年12月に、物流業界の企業に所属する経営・ビジネス企画、ソフトウエア・システム開発に携わる役職者を対象にインターネットで行い、420人から有効回答を得た。

それによると、「DXを推進する上での課題」に対する質問には、回答者のうち57%が「IT人材が足りない」「DX推進のノウハウをもった人材がいない、少ない」「推進できる体制がない」と回答し、人材面の課題を抱えている企業が多いことがわかった。次いで「レガシーシステムがボトルネックになっている」「既存システムの運用に手一杯」が27%を占めた。シフトは「複雑な物流システムがDX推進の妨げになるという仮説につながる」と見ている。

また、所属する企業の現在の基幹システムについての状況を聞いたところ、「ソフトウェアのアドオン・カスタマイズにより複雑化している」が33%で最多。次いで「既存システムが事業部ごとに構築されて複雑化(サイロ化)している」が29%となった。シフトは、基幹システムがサイロ化していると、全体最適が難しく、新しい取り組みを進める上でも管理コストが増大する恐れがあると指摘する。

同社は調査結果を踏まえ、「既存システムと人材不足がDX推進のボトルネックとなっている。最新技術の導入が、さらなるシステムの複雑化を招く懸念がある」と結論づけている。「特に、ソフトウエアのアドオン・カスタマイズにより基幹システムの複雑性が増していることが問題であり、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット化)といった最新技術を導入している企業でも、既存システムが抱える問題を解決しないままだと、さらなる複雑化を招き、管理コストが増大する懸念がある」と注意を促している。