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運輸業の高リスク企業は1664社減少、TDB調査

2025年8月19日 (火)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は18日、1年以内に倒産するリスクを抱える企業は、ことし6月時点で12万8552社に上るとのレポートを公表した。昨年12月と比較すると1592社増加した。このうち、運輸業は1万164社で1664社減少した。全業種の中で最も減少数が多いが、TDBはこれを「高リスク企業の倒産が相次ぎ、淘汰が進んだ結果」とみている。

同社は、信用調査とビッグデータをもとに、独自の統計モデルで1年以内に倒産する確率を算出している。これをグレード1から10までの10段階に分け、8から10を高リスク企業としている。レポートによると、6月時点で高リスクと判断された企業は全体の8.7%にあたる。

8業種に分類した業種別で見ると、「製造業」が3万3465社と最も多く、前回調査比で4894社(17.1%)増加した。次いで「建設業」が3万20社となり、同1203社(4.2%)増加した。

一方、高リスク企業数が最も減少した業種は「小売業」(2万4050社)で、2414社(9.1%)減だった。次いで「運輸・通信業」(1万359社)が1704社(14.1%)減で続いた。

業種を細分化してみると、高リスク企業数で最多は「職別工事業」の1万4510社で、次いで「総合工事業」の1万1892社と、高リスク企業数上位2業種を「建設業」が占めた。3番目に多かったのが、「運輸業」(1万164社)だったが、高リスク企業の減少数が全業種の中で最も多かった。

運輸業で今年上半期に倒産した企業の傾向を調べると、高リスク企業の占める割合が73.3%と、全業種平均の41.0%に比べて非常に高かった。これは、これまで高リスクに分類されていた企業の倒産が続いていることを示している。

運輸業について、同社は「人手不足による輸送能力の低下で売り上げや利益が低下している企業があり、燃料費や人件費の高騰も続いている。競争力の低い企業が淘汰されたことで、高リスク企業の数が減少しているものの、業界全体の課題が解決されたわけではない」と指摘。「運賃を価格転嫁できない企業は経営難に陥る恐れがある」としている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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