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受講者の負担軽減と実効力の高さが強みのキャブステーション「グッドラーニング!」

安全教育の「手詰まり感」を脱却した大和物流

2022年9月21日 (水)

話題国土交通省が定める「貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導及び監督の指針」(2001年8月20日)では、12の指導項目を定め、安全教育を行った記録を3年間保存するよう、義務付けている。

とはいえ、安全教育には手間が掛かる。その上、内容はひどく退屈だ。国土交通省の用意したマニュアルは150ページもある。確かに内容は優れているが、これをつぶさに読み、そして理解するのは、苦行以外のなにものでもない。

▲ある運送会社での「グッドラーニング!」を使った安全教育の様子

そんな安全教育に風穴を開けようとしているのが、キャブステーション(東京都品川区)の展開するトラックドライバー向けの安全教育e-ラーニングコンテンツ「グッドラーニング!」である。

安全対策に手詰まりを感じ、グッドラーニング!を導入した大和物流(大阪市西区)の事例も紹介しつつ、安全教育のあり方を考えていこう。

大和ハウスグループの看板に傷をつけてはならない

大和物流は、大和ハウス工業の物流子会社として、建築・建材物流を筆頭に物流サービスを行う3PL企業である。全国44か所に事業所を構え、従業員数は約1400人、460台の車両を保有している。大和ハウス工業の子会社ではあるが、外販比率は66%(2022年3月期)であり、名実ともに日本を代表する総合物流企業の一社である。

大和物流のトラックは、大和ハウスグループのシンボルであるエンドレスハートを掲げている。

「物流子会社の責任」の見地からドライバーへの安全教育の重要さを語る、大和物流の坂本和隆・安全品質環境推進部担当次長

「一般の人々から『大和ハウスのトラックからあおられた!』などのお叱りを受けることもあります。物流子会社の責任として、親会社、グループ会社に迷惑を掛ける行為は、絶対にあってはなりません」。大和物流の坂本和隆・安全品質環境推進部担当次長はこう語る。

一部の不埒(ふらち)なドライバーの行動が、運送会社だけではなく、グループ企業のイメージダウンも引き起こし、SNSで炎上することもある。だからこそ、大和物流はこれまでも教育にチカラを注いできた。

減らない事故件数に対する焦燥感

大和物流では、配送先の狭小地における物損事故に課題を抱えていた。建材物流が多い大和物流では、住宅地などの狭小地へ配送することが多い。大和物流における物損事故の6割から7割は、狭小地において壁や塀などにトラックを接触させ、破損させたものだという。

大和物流のトラックは、8割が平ボディ車(ユニック車を含む)だが、一般的には平ボディ車には取り付けることの少ないバックカメラを全車に搭載するなど、安全対策に投資してきた。

平ボディ車のバックカメラは、取り付け位置が低くなる。そのため、箱型トラックに比べると死角が多くなる。その弱点を補うため、事業所駐車場などで、パレットを並べて仮想狭小地を再現し、死角を体感し学ぶ実地教育も行ってきた。

それでも事故件数はここ数年間ずっと横ばいだという。「ハードウエアに頼った安全対策に、手詰まりを感じていました」と坂本氏は振り返る。

安全対策への手詰まり感と、グッドラーニング!との出会い

(イメージ)

大和物流では、トラック協会作成の安全教育マニュアルを基本教材とし、これに各事業所で教育を担当する運行管理者が独自に工夫を加えながら安全教育を実施していた。

だが、このやり方には課題があった。まず、運行管理者が教育資料作成に費やす時間が負担だった。会社としては、全従業員の総労働時間削減に取り組んでおり、それでなくとも配車業務などで忙しい運行管理者にとって、安全教育が負担となっていたのだ。

残念ながら、安全教育に熱心な担当者もいれば、そうでない担当者もいる。つまり、安全教育の品質に差が生じていたことも課題であった。

安全教育を行うために、ドライバーを集めることも負担であった。加えて新型コロナウイルスの流行により、集合教育を行うこと自体がリスクと化した。

課題がいくつも重なり、手詰まり感もピークに達したタイミングで、大和物流が出会ったのが「グッドラーニング!」だったのだ。

グッドラーニング!が明らかにした、これまでの安全教育の課題

▲荷待ちなどの隙間時間にスマホで気軽に受講できる

グッドラーニング!は、パソコンとスマートフォンの両方から受講可能なe-ラーニングを用意している。国土交通省が定める12の指導項目を網羅するために設けられた講座は、一つがおおよそ10分から15分程度である。この程度の時間であれば、荷待ち時間や業務の合間に、気軽に受講できる。

動画による講座の終わりには、必ず理解度テストが用意されている。筆者も受講してみたが、理解度テストの難易度設定が絶妙である。運送関係者は、この手の安全教育はこれまでも何度も受講してきたはずだ。だからと言って、「だいたい知っている内容だしな…」と聞き流してグッドラーニング!を受講していると、理解度テストで己の怠慢を思い知らされることになる。

理解度テストの中には、単なる「○×テスト」ではなく、「正しいものをすべて選べ」といった複数選択式のテストもある。分かっているフリで聞き流すのではなく、集中して受講しないと正解にたどり着くことは難しい。


▲動画による講座(左)を経て理解度テスト(右)に進む。出題形式は多岐にわたり安全運転についての正しい理解が求められる(クリックで拡大)

「以前の安全教育では、受講の有無のみしか記録していなかったが、グッドラーニング!では、受講時間が記録されることもポイントだ」と坂本氏は説明する。

「受講時間が2分の人と、20分の人では、教育への理解・浸透度に差が生じるのは明らかです。グッドラーニング!導入後は『○○事業所の△△さんは、受講時間が明らかに短いので、きちんと指導してくださいね』と、本部から各事業所に指導することができるようになりました」(坂本氏)

▲グッドラーニング!導入後の安全教育の質の向上について話す坂本氏

質の高い安全教育を、手間を掛けることなく全事業所で実施できるメリットも大きい。

グッドラーニング!は、事業者独自のオリジナルコンテンツを追加できる機能も備えている。本機能を使えば、一度作成したオリジナルコンテンツを手間なく全社展開し、さらに教育の質を高めることも可能だ。

大和物流では、20年4月にグッドラーニング!を導入。同社では働き方改革の一環として、総労働時間の削減に取り組んでいる。19年の業務職の平均の月間残業時間は22.6時間、対して21年は21.6時間に削減した。

わずかな差に思えるかもしれないが、もともとの残業時間が少ないところから、安全教育の質を大幅に高めながら、なおかつ残業時間を減らしたのは素晴らしい。

■「グッドラーニング!」プロモーション動画

「安全教育への垣根を取り払いたい」

「安全教育ねぇ、いや、もちろん義務なのは分かっていますけど…」──。このように語る運送会社の本音は、面倒、つまらない、そして効果が不明という、安全教育への3つの不満ではないか。

ドライバーへの安全教育が義務であるのは分かる。だが、苦行のようなマニュアルをもとに、手間暇掛けて安全教育を実施したところで、ドライバーたちへの教育効果はどれほどあるのだろうか。

そのように考え、おざなりの教育、──例えばマニュアルを「各自読んでおくように」とドライバー各自に配布するなど──、に逃げて教育記録だけはつけておく運送会社の振る舞いは、コンプライアンスの観点からはアウトだが、心情的には同情する。

「キャブステーション一番の目標は、グッドラーニング!を導入してくれた運送会社の事故が減ることです」と、キャブステーションの齋藤陽介・ICTソリューション事業部プロジェクトリーダーは思いを語る。

安全をないがしろにして良いと考えている運送会社など、世に存在しない。だからこそ、安全教育は「伝わる」、そして「学びやすい」ものではなくてはならないし、そうでなくては教育の効果もあらわれないだろう。

▲「ドライバーの教育を受けるモチベーションを引き上げること」が使命と語る、キャブステーションの鈴木洋平・ICTソリューション事業部エリアマネージャー

「率直に言えば、ドライバーさんたちが、安全教育を受けるモチベーションってゼロでしょう。だからこそ、教育を受けるモチベーションをどうやって引き上げるかが私どものミッションだと考えています。安全教育への垣根を取り払い、ドライバーさんに楽しんでもらいながら、ゲーム感覚で楽しんでもらえるような教育ツールへと、グッドラーニング!を育てていきたい」(キャブステーションの鈴木洋平・ICTソリューション事業部エリアマネージャー)

その言葉が飾りか、それとも本心か。工夫を凝らしたグッドラーニング!を試しに受講すればすぐに分かる。興味がある運送会社関係者は、ぜひキャブステーションへ声を掛けてほしい。

「グッドラーニング!」製品ページ


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