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現場を熟知する3氏、物流現場のさらなる効率化への秘策を伝授

「安全•現場改善•自動化」指南、トヨタL&Fセミナー

2023年1月19日 (木)

話題豊田自動織機トヨタL&Fカンパニーは19日、特別オンラインセミナー「『安全/現場改善/自動化』のヒントがここに」を開催した。

物流現場における効率化・最適化の実現を支援する取り組みに注力するトヨタL&F。「物流ソリューションプロバイダー」を目指して、フォークリフトをはじめとするマテリアルハンドリング関連商品や物流エンジニアリングを活用することで、こうした現場における諸問題の解決策を提示する取り組みを推進していく方針だ。

トヨタL&Fは今回のセミナーで、こうした活動を踏まえた物流現場における業務改善のヒントを紹介。「安全」「現場改善」「自動化」の3つのキーワードを掲げて、具体的な事例を交えながら問題解決の方策を提示した。

フォーク災害低減の秘策、それは「4S+1S」

最初のテーマは「安全」だ。全国40社の販売店とともに脱炭素や安全、自動化などに関する諸問題の解決に向けたソリューション営業を推進する国内営業部販売企画室の八木慎一郎室長が、「フォークリフト事故発生要因と対策」のテーマで登壇。事故の未然防止に向けた考え方と、それを支援する最新商品ラインアップを披露した。

▲国内営業部販売企画室の八木慎一郎室長

八木氏は、フォークリフトに起因する災害を防ぐ対策として「不安全状態の改善」「ヒューマンエラー防止」の2点が必要であると説明。不安全状態をなくすためには、「4S」(整理・整頓・清掃・清潔)に加えて「1S」(しつけ)を徹底することにより、接触事故をはじめとする災害を低減できるとした。

さらに、ヒューマンエラーについても「意図しないエラー」「不安全行動」の2つに要因を分類。注意喚起や先進設備の導入、知識・技能の向上、情報共有などによるエラー削減とともに、関係法令やルール守る意識の徹底で安全な行動につなげる取り組みの重要性を強調した。

フォークリフトに起因する死傷災害件数は近年やや増加傾向にあると指摘。八木氏は「生産年齢人口の減少による高齢者や女性を中心とした不慣れな作業者の増加や、新型コロナウイルス禍による従業員一人あたりの仕事量の増加が要因とみられる」としている。

▲不安全状態がもたらす重大災害について語る八木氏

実践的な4S活動に欠かせない「正常な状態のインプットによる標準化」

▲カスタマーズセンター大阪の麻生純男センター長

次のテーマは「現場改善」。カスタマーズセンター大阪の麻生純男センター長が、「継続的な『4S』活動のヒント(実践編)」と題して、労働災害など現場従業員の安全な業務遂行に支障を来たすことのない職場環境づくりについて、継続的に取り組むことの大切さを訴えた。

麻生氏は4Sの各項目における活動の意義について解説。整理は「必要なものの定義といらないものの廃棄」が目的であり、不要なものがなぜ職場に置かれたままになっている真因を追求する大切さを強調した。整頓は「必要なものを明確化する行動」であり、「3定」(どこで・何を・いくつ)をはっきりと決めるとともに、頻度に応じた保管場所の決定や異常が分かる基準づくりが不可欠とした。

さらに「清掃・清潔を不断に維持」することで、正常な状態をインプットして異常を発見しやすくするとともに、こうした動きを標準化することで定期的にチェックすることで、安全で効率的な職場を実現できると説明した。

▲4S活動の重要性について語る麻生氏

麻生氏は、カスタマーズセンター大阪のカタログ倉庫における4Sの実施事例を動画で紹介。月替わりした古いカタログの処分で捻出したスペースを確保して、必要な場合に活用できるようにした取り組みや、棚の仕切りを板から鎖に変えることなどで臨機応変にスペースの広さを変える工夫、さらに新規に発注すべきタイミングを「見える化」して適正な在庫を実現する活動などを紹介。麻生氏は「メンバーからのアイデアを反映してルールを柔軟に変えていくことが大切だ」と訴えた。

搬送工程の効率化を促す高精度なAGV開発力を披露

▲物流ソリューション事業室物流システム第二室の山崎真弘グルーマネージャー

最後に、物流ソリューション事業室物流システム第二室の山崎真弘グルーマネージャーが、「自動化」のテーマでAGV(無人搬送車)を活用した現場業務の省人化について解説。中部・北陸地域の物流システムエンジニアのグループリーダーを務める山崎氏ならではの、システムエンジニアの視点による自動化設備の適切な活用方法を披露した。

山崎氏は、テクノロジーの進化や社会環境の変化といった物流の事業環境を踏まえて、自動化範囲の拡大や賃貸倉庫により適した機器のニーズなどが高まっていると指摘。エンジニアリングや物流システム機器、フォークリフト、保守サービスなどを提供することで、物流現場における自動化・機械化を支援する取り組みを紹介した。

今回のセミナーでは、搬送系のソリューション展開について解説。AGF(無人搬送フォークリフト)やシンプルAGV・キーカート、サイドフォークAGVについて、それぞれの機能の特徴や稼働イメージなどを説明した。

▲トヨタL&Fカンパニーの物流ソリューションについて紹介する山崎氏

AGFについては、自動倉庫と組み合わせることで省人化や庫内の安全性向上を実現したケースを紹介したほか、5000台以上の販売実績を誇る「ベストセラーソリューション機器」と位置付けるシンプルAGV・キーカートによる搬送工数の削減効果を披露。移載時の走行幅を減らせることでより効率的な搬送が可能になるサイドフォークAGVの強みにも訴求した。

今回のセミナーでは、19日限りの見逃し配信コンテンツとして、脱炭素をテーマとした「物流現場での脱炭素化の取組み~実用化が進む次世代エネルギー商品の活用・導入事例~」と、現場改善が題材の「全ての活動の基礎『4S』の考え方~コロナ禍にも対応できる強い現場づくり~」を展開した。

トヨタL&Fは、今回の特別オンラインセミナー「『安全/現場改善/自動化』のヒントがここに」について、1月24日にも同内容で開催する。

トヨタL&Fホームページ
オンラインセミナー「『安全』『現場改善』『自動化』のヒントがここに」概要
開催日:2023年1月24日(火)
開催時間:13時15分~15時15分
登壇:トヨタL&Fカンパニー国内営業部販売企画室室長 八木慎一郎氏/カスタマーズセンター大阪センター長 麻生純男氏/物流ソリューション事業室物流システム第二室グループマネージャー 山崎真弘氏
参加費:無料
形式:オンライン
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