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ビール大手4社、Pパレ不正使用抑制に位置情報活用

2025年6月19日 (木)

ロジスティクスPパレ共同使用会とアサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリーの5者はこのほど、プラスチックパレット(通称「Pパレ」)の流出と不正使用を防止するための新たな位置情報管理策の導入を発表した。

物流業界ではパレットの一貫使用が拡大する一方で、Pパレの流出、紛失、目的外使用、違法販売などの問題が多発している。これに対し、Pパレ共同使用会は4社と共同で回収体制を強化。回収率の低い納品先への管理強化、業界紙での啓発活動の実施、不正使用者への返却交渉、さらには法的措置や損害賠償請求の強化などを進めている。

▲パレットの出荷回収と不正使用発見イメージ(クリックで拡大、出所:Pパレ共同使用会、アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、サントリー)

Pパレは共同使用会加盟各社の所有物。加盟社製品の輸送・保管以外での使用は所有権の侵害となる。流出や不正使用は、製品の製造・出荷に支障をきたすだけでなく、トラックドライバーや取引先の作業負担を増加させ、最終的にはコスト上昇や消費者への不利益につながっている。

今回、Pパレ共同使用会と4社はパレットの一部にトラッキング装置を設置し、位置情報の取得を開始する。これにより不正使用の拠点や業者を特定し、返却要請などの現場対応を強化する。京セラコミュニケーションシステム(京都市伏見区)が開発したこのシステムは、流通経路や流出地点の特定も可能にする。

Pパレ共同使用会と各社は、厳しさを増す物流環境のなかで、今後もパレット不正使用の撲滅に向けた取り組みを継続する。パレットの適正な運用と保全を通じ、業界全体の持続可能な物流体制の確立と製品供給責任の遂行を目指すとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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