ロジスティクス近畿経済産業局では、関西の中堅・中小企業を対象に、企業活動の現場に見られる新たな変化の兆しに着目したヒアリング調査レポート「関西企業フロントラインNEXT」を公表している。このリポートによると、食品製造業の⽇世(⼤阪府茨⽊市) は、同社物流部を起点にした⽣産依頼により適正在庫と⽋品・廃棄ロス削減に着手、2024年問題を前に納品リードタイムを1⽇延⻑し、時間的余裕を持った倉庫作業・配送業務を実現した。
同社では、コロナ時に在庫過剰に陥り、⼤幅な⽇付切れロスが発⽣。その際に⽣産依頼業務の責任をどの部⾨が担当するのが適切か議論になったが、最終的に受注状況・在庫状況を把握している物流部が適切と再定義した。各部⾨の思惑で在庫過多に陥りがちなところ、販売予算、出荷実績および営業部からの販売動向情報を基に、物流部を起点に適正⽣産依頼数を算出し、⽣産部へ依頼。過剰⽣産・過剰在庫の防⽌、⽋品・廃棄ロス削減を実現すると同時に、突発的な物量変化にも⽣産部の協⼒を得てフレキシブルに対応している。現在はAIによる需要予測の取り組みも検証を開始しているという。
また、2024年問題を前に、営業部を通じて納品リードタイム延⻑に向けた調整を実施。顧客の協⼒により、その定着化に成功した。加えて、委託する物流事業者とは⽉1回の定例会で、物流に
対する要望や改善点を議論し、解決に向けて相互協⼒体制を構築している。
同社では、物流部を起点にしたことで、⽋品・廃棄ロスの削減に繋がったほか、2024年問題対応で納品リードタイムを1⽇延⻑したことにより、委託する物流事業者・部内の業務効率化、帰り便も含めた配⾞⼿配の円滑化が図られたとしている。
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