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沖電気とヤマト、中国ATM部材輸送システムを開発

2013年7月19日 (金)

ロジスティクス沖電気工業とヤマトホールディングスは19日、沖電気の中国ATM事業基盤強化に向けたSCM改革を実施するため、ATM用保守部材などの精密機器を中国全土に輸送する新たな輸送システムを共同開発した、と発表した。

広東省深セン市にある沖電気の保守部材倉庫から河北省にある保守拠点への輸送を皮切りに、今月から新輸送システムの運用を開始し、段階的に運用地域を拡大していく。沖電気は、新輸送システム導入を機にSCM改革を強化し、今後3年間で中国ATM保守部材の物流コスト30%削減を目指す。

新輸送システムは、現地の物流事情に精通する沖電気の梱包設計技術と、ヤマトグループの最適な輸送モードの選択・輸送状況管理・配送状況通知を含めたトータルな輸送マネージメントを組み合わせ、両社の強みを融合した。ヤマトグループは沖電気と協力し、中国全土に向けた初の精密機器向け企業間物流サービスを提供することになる。

沖電気は、2005年からATMの中国金融機関への納入を開始し、既に累積8万台以上の納入実績があり、紙幣還流型ATMでトップシェアの50%を占めており、稼働台数の増加と設置地域の内陸部への拡大に伴い、220か所の保守拠点へ送る保守部材の輸送・修理・供給体制の強化が課題となっていた。

ヤマトグループは、05年に現地法人「雅瑪多国際物流」を設立し、中国でロジスティクス事業の拠点を展開。日本の宅急便事業で培った小口荷物のきめ細やかな輸送管理、リードタイムと物量に応じた最適物流ネットワーク選定、現地配送業者の管理などのノウハウを確立している。

今後、沖電気は保守拠点からの修理部材の回収についても新輸送システムの利用を検討し、ヤマトグループの貨物追跡や輸送品質改善などのノウハウを活用して保守・物流体制の強化を進め、中国ATM事業の競争力強化につなげる。ヤマトグループは、今回の実績を活かして精密機器輸送のノウハウを積み重ね、中国で企業間物流事業の拡大を図る。両社は沖電気がATM拡販を進めている東南アジアのサプライチェーンについても、共同研究を始める、としている。