
(出所:Causal Foundry)
ロジスティクススペインのAIスタートアップCausal Foundry(コーザル・ファウンドリ)は9日、同社の日本法人(東京都渋谷区)を設立し、日本の物流やゲーム業界に本格参入すると発表した。
コーザル・ファウンドリは、ユーザーの行動をリアルタイムで分析・予測し、最適なタイミングでのパーソナライズな体験やリソースを配分する「適応型AI」を開発した。ゲイツ財団やGoogle、Lilly、Johnson & Johnsonといったグローバル企業の支援を受け、すでにヘルスケアや物流、EC(電子商取引)の分野で導入され、成果を上げている。
同社が開発したAIは、ユーザーの行動パターンを継続的に学習するだけでなく、自らの施策結果からもフィードバックを得て進化する「自己進化型」AIで、使うほど精度が高まり、現場に適応していく。これまで、需要予測や在庫切れ防止、ラストマイル配送の最適化、行動変容を促すナッジの提供などに活用されている。
実績としては、ルワンダ社会保険庁(RSSB)などの政府機関やアフリカ10か国で活動するヘルスケアNGO「mothers2mothers」に対し、財政効率化や医療アクセスのためのAIシステムを提供した。東南アジア最大級の薬局ネットワークを支えるB2Bプラットフォームでは、28万人以上の薬剤師に向けたパーソナライズレコメンドやロイヤリティ報酬の最適化を支援し、デジタル変革と収益向上を実現した。
高精度な行動予測に基づくパーソナライゼーションが特長で、一人ひとりに最適なタイミング・方法で提供するために、高度な行動予測や介入設計を行っている。
今回の日本進出では、既存のヘルスケアや物流、ECの領域に加えて、ゲーム・エンターテインメント分野にも本格的に参入する。AIの活用で、プレイヤー体験の向上や継続的なエンゲージメント、収益性の向上などを目指す。
日本法人の経営陣には、創業者兼CEOのアフリカ・ペリアニェス博士と、ゲーム業界出身のジョンソン裕子が就任。ペリアニェス博士は、さまざまな業界において、社会的・商業的インパクトのあるAIプロダクトを多数開発してきた経験がある。ジョンソン氏は、ゲームやテック業界で長年、事業開発を担当し、国内外の企業と共に新たな体験価値や収益機会の創出に取り組んできた。
近年、各種サービスにゲーム要素を取り入れるゲーミフィケーションが注目を集めており、ユーザーの行動変容や持続的なエンゲージメント、事業成長や収益最大化をもたらす手法としても期待されている。こうしたことも踏まえ、同社は日本市場で分野横断的な取り組みも展開していくとしている。
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