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電源レスでコールドチェーンの品質向上

富士電機、食品流通向け保冷コンテナを発売

2014年2月12日 (水)

サービス・商品富士電機は12日、食品流通業界の生産、加工・配達、店舗向けに次世代保冷コンテナ「D-BOX」と、クラウドを利用した情報管理システム「ハイクオリティコールドチェーンシステム」(HQCCS)を発売する。

新製品は12日から14日まで東京ビッグサイトで開催されるスーパーマーケット・トレードショーの同社ブースで展示し、四国のスーパーマーケットチェーン「マルナカ」の協力で実施した実証実験の結果と併せて紹介する。

富士電機、食品流通向け保冷コンテナを発売

これまでスーパー、コンビニなどで販売される生鮮品(刺身・肉など)が鮮度を保つためには、店舗のバックヤードで加工しなければならなかったが、D-BOXによって、加工工場で集中加工した生鮮品を定温保冷しながら売場まで直送できるため、店舗内に冷蔵設備や加工スペースがなくても新鮮な生鮮品を販売できるようにする。

D-BOXを使うことで、一般トラックで定温輸送できることになるため、冷蔵車による運搬に比べてコストダウンにもつながるとして、富士電機では「「顧客の加工プロセスと物流を変革し、ローコストオペレーションを実現する」と説明している。

運搬中に外気に触れるリスクを最小限に抑えることができるため、生産拠点や加工場から店舗・売場まで一気通貫の定温物流管理を行いやすくなるメリットもある。

富士電機、食品流通向け保冷コンテナを発売(2)

情報管理システムのHQCCSは、D-BOXの定温物流管理、個体識別管理、稼働率管理(稼働時間、空き時間、保守計画)、エネルギー管理を実現する仕組みで、従来のPOSデータ集計分析に加え、産地・加工・配送・店舗のD-BOXデータを組み合わせ、フードチェーン全体の高品質コールドチェーンを構築。

鮮度、おいしさが商品の売れ行きにどう影響するかなどの分析を可能にし、顧客の戦略的なマーチャンダイジングと物流を効率的に結び付けるツールとして活用できる。

D-BOXは、内部を急速冷却(3時間以内)し、電源レスで長時間・安定保冷、3温度帯(チルド、フローズン、定温)に対応し、トレーサビリティステーションで適切な輸送、定温物流を管理できる。これにより、食品生産拠点から店舗売場まで5時間温度を保つという。

温度情報に加え、稼働状況や使用時間累計も収集し、データベースへ蓄積し、BIツールを用いて必要な形で抽出・出力が可能。

富士電機では、スーパーマーケット、コンビニチェーン、外食チェーン、食品卸業界、運輸業界、農業法人、リース・レンタル、医薬品などでの用途を想定。14年度に50億円、15年度には100億円の売上を目指す。

■問い合わせ先
富士電機
食品流通事業本部流通システム事業部グローバルフード推進部
TEL:03-5435-7099