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欧州事業の強化と地域事業の責任明確化

TNT、新ビジネス戦略策定し注力4業界を設定

2014年3月3日 (月)
テックス・ガニング氏

テックス・ガニングCEO

ロジスティクスTNTエクスプレスは3日、新たなビジネス戦略「Outlook」(アウトルック)を発表した。昨年3月に発表した「Deliver!」プログラムを実施する一方で、自社の長所と短所、市場機会を詳細に分析したもので、実質的な業績改善を目指すために策定した。

新ビジネス戦略は、収益力のある成長に注力すること、業績改善に向けた投資、成功するための組織編成の3本柱で構成。

具体的には、欧州ロードネットワークを拡張することでロード輸送を増やし、自動車・産業・医療・ハイテクの4分野を最優先業界に掲げて貨物取扱量の増加を図るとともに、これまで以上に中小企業の顧客に対するサービス提供に力を入れる。それぞれの市場向けに特別に策定した具体的な戦略を実施することで、フランス・イタリア・英国・ブラジル・チリ・太平洋地域で、それぞれの域内事業の収益率改善に注力する。

また、提供するサービスの原動力の中核として「完璧な取引」を位置付けるとともに、プロセス改善とオートメーション、インフラへの投資を通じて運用の効率性と生産性を最適化。IT機能を向上させ、グローバル・ビジネス・サービスの間口を広げることで生産性の向上につなげる。

さらに、労働組合との適切な労使協議手続きを踏んだ上でことし下半期に組織を再編する。欧州全般にわたる「統合された国際エクスプレス業務」は経営陣が陣頭指揮を執り、アジア・中東・アフリカを含む国際業務(インターナショナルAMEA)では、個別の首脳陣が運営する。仏・伊・英の国内事業とブラジル・チリ・太平洋地域の事業は、個別の部門「国内事業」として運営し、それぞれの事業で焦点をはっきりさせることで、説明責任の明確化につなげる。

こうした新戦略を支える経営委員会のメンバーには、テックス・ガニング最高経営責任者(CEO)とバーナード・ボット最高財務責任者(CFO)が引き続き法定メンバーとしてとどまるとともに、新たに6人が加わる。

経営委員会の新メンバーとなるのは、マルコ・ファン・カレフェーン氏が最高変革責任者兼国内事業担当マネージング・ディレクター、元DHL北米CEOのイアン・クラフ氏がインターナショナル・ヨーロッパ担当マネージング・ディレクター、マイケル・ドレイク氏がインターナショナルAMEA担当マネージング・ディレクター、クリス・グーセンス氏がカスタマー・エクスペリエンス担当マネージング・ディレクター、ステファン・シェール氏が最高人材活用責任者、マルティン・ソダーガード氏がネットワーク・オペレーション担当マネージング・ディレクター——の6人。