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中国GURKI、積み降ろしロボ来年上期に日本へ

2026年10月14日 (水)

国際中国の包装・物流自動化設備メーカー、GURKI(固爾琦)は、上海市の国家会展中心で12日に開幕した中国国際工業博覧会(CIIF 2026)に、トラックの荷台やコンテナへ段ボール箱を積み込み、降ろすロボットの第2世代機を出展した。14日にブースで本誌の取材に応じた同社は、中国国内で年内の発売をめざし、日本での販売は製品の改良を終える来年上半期を目標にする考えを示した。11月には中国国内の顧客先へ初めて納入する。(編集長・赤澤裕介)

同社の黄俊龍CEOは日本での販売について「来年から売れる」と述べ、第2世代機をさらに改良したうえで市場に出す考えを示した。現行機は第1世代から車体を30%小さくしており、さらに小型化を進める。

コンテナで実演、段ボール箱に特化

ロボット展会場にある同社ブース(C206)には、実物大の海上コンテナが据えられていた。中で動いていたのは、クローラー(無限軌道)式の走行台車に独クーカ(KUKA)の産業用ロボットアームを載せた機体で、アームの先端に吸着パッドを並べたハンドが付いている。コンテナの奥に積まれた段ボール箱を上段から1つずつ吸い上げ、台車から外へ伸びる伸縮式のローラーコンベヤーに載せて送り出す荷降ろしを実演していた。積み込みはこの逆の流れになる。

▲海上コンテナ内で段ボール箱を吸着し、伸縮式コンベヤーへ送り出す積み降ろしロボット

開発の担当者は、処理の速さを指す効率を、いま取り組んでいる最大の技術課題に挙げた。車体の小型化も続けており、車体に積むバッテリーと、高温や極寒の環境で機器の温度を保つ仕組みをどう収めるかを詰めている。

導入の進め方で同社が強調したのは、シミュレーションを先に済ませる手順で、顧客から箱の種類と寸法、コンテナの寸法、必要なタクトのデータを受け取り、自社のシミュレーション環境で現場の作業を再現する。ロボット同士の干渉や処理が滞る箇所をこの段階で洗い出してから、個別の開発と生産に入る。社内にはあらゆるサイズのコンテナを購入して置き、顧客が実際に使う箱を集めて試している。先にシミュレーションで確かめてから現場に入れることで、メーカーと顧客の双方が現場で検証をやり直す手間を減らせるとし、機械が届く前に顧客は将来の動き方を確認できる。11月の初導入から年内の発売まで1か月ほどしかないが、事前の検証で問題は出ないと同社はみている。

運用面では、通常は作業員1人で複数の荷役バースを受け持てるとした。倉庫管理システム(WMS)、倉庫制御システム(WCS)、倉庫実行システム(WES)とつなぐ標準のインターフェースを備え、顧客側のシステムと合わない場合は双方で協議して接続方法を変える。データを社外に出したくない顧客が多いため、サーバーは顧客の現地に置く例が多いという。保守については、運用や操作を支えるソフトウェアを整えて現場の担当者が扱いやすくするとし、カメラやセンサーなどの部品は中国で広く流通する品質の高いものを選んで、中国全域で供給できるようにしている。

同社は対象を段ボール箱に絞り込んでいる。重さは問わず、密閉された箱型の荷台やコンテナに後方から入って作業する使い方を前提に設計した。軟包装の袋物は門型の装置を使って荷台の上から積むことが多く、箱物とは積み方が違う。中国の米メーカーからも積み降ろしの相談を受けており、袋物への対応は同社が今後の開発で解くテーマとして残る。

ブースではピッキングのワークステーションも実演していた。菓子の袋、紙カップ、紙箱など形の違う商品が混ざったコンテナから、協働ロボットが吸着ハンドで1つずつ取り出し、画面にはカメラが捉えた商品の輪郭が色分けして映し出されていた。同社がこの装置の強みに挙げたのは、SKU(商品の品目)が多くても、商品を事前に登録せずにスキャンだけで認識し、つかめる点で、取り出した商品はそのまま梱包の工程へつなげられる。自動封かん機などの包装設備を主力としてきた同社が、梱包の手前の工程まで自社の装置で担う形になる。

▲形状の異なる商品をスキャンで認識し、吸着ハンドで取り出すピッキングワークステーション

模倣への備えについて同社は、機械部分はまねされやすいとしたうえで、ソフトウエア、アルゴリズム、モデル、ロボットの運用最適化を含むシステム全体はまねが難しいと説明した。顧客の作業を減らすために自社が1つ多く手間をかける考え方で設計しているといい、事前登録を不要にしたことや、箱の大きさを問わず積み降ろしできることをその例に挙げた。

同社はこのシステム全体を「一脳多体」と呼ぶ仕組みとして打ち出している。アルゴリズムで構築した1つの頭脳(一脳)が周囲の認識と判断を担い、積み降ろしロボットや、協働ロボットでパレットから箱を降ろすワークステーションなど、種類の異なる複数のロボット(多体)とつながる。頭脳の側では、3次元の空間認識、積み付けの空間計画、複数台のロボットへの作業の割り振りを連携させる。箱やパレットの形が変わればロボットがその場で動作を計画し直すため、大きさの違う段ボール箱が混ざっていても、届いた順にそのまま積み付けられるという。

夜間荷役で導入、課題は言語と保守

自動化を投資回収だけで判断できない例として、同社は上海の事情を挙げた。業種によっては日中の積み込みが認められず、気温が下がる夜間に作業しなければならないため、機械を使うほかなく、投資回収の計算より前に導入が決まるという。日本展開の課題として同社が挙げたのは、言語、顧客との接点とアフターサービス、中国と異なる納入条件の3点だった。

日本では、段ボール箱を荷台にばら積みし、人手で積み降ろしする作業がトラックドライバーの長い拘束時間の一因になってきた。2025年4月に施行された改正物流効率化法は、すべての荷主と物流事業者に荷待ち・荷役時間の短縮に取り組む努力義務を課している。コンテナからの荷降ろしでは、XYZロボティクス(XYZ Robotics)のデバンニングロボットが国内の物流施設で実証を進めており、三井物産グローバルロジスティクスの千葉県内の施設では2週間の無人運用を終えている。

日本の幹線輸送で多く使われるウイング車は、荷台の側面を開けてパレットごとフォークリフトで積むことが多い。後方から荷台に入り、箱を1つずつ扱うGURKIの機体の前提に最も近いのは、輸入貨物の海上コンテナから段ボール箱を手で降ろすデバンニングの現場と筆者はみる。ブースで実演に使われていたのも海上コンテナだった。

GURKIは11月に上海で開かれるアジア国際物流技術・運輸システム展(CeMAT ASIA)に出展し、今回の積み降ろしロボットに加え、検品、梱包、仕分け、供給の各工程を3台のロボットで一貫して処理する流れを実演する。

問い合わせ先:日本エストコンサルティング(Info@est-group.com)

◆ この記事をより深く理解するために ◆

・国内物流施設で進むデバンニングロボットの実証の最新例
XYZ、日本トランスシティで荷降ろし自動化実証(3月3日)

・コンテナ荷役ロボットを2週間無人運用した国内の実証結果
三井物産GL、コンテナ荷役をXYZロボットで実証(25年12月8日)

・事前教示なしで箱を扱う荷降ろしロボットの処理能力の目安
XYZ、重光商事でデバンニングロボの実証完了(25年10月27日)

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