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1時間450ケース、人間1人分の処理能力

IHI、AI搭載の自動荷降ろしロボット発売

2017年12月7日 (木)

話題IHIは6日、AIによるディープラーニング(深層学習)を搭載したデパレタイズシステムを開発したと発表した。パレットに積み上げられた段ボールなどのケースをアームでつかみ、自動的に荷降ろし作業を行うアーム型ロボットに初めてAIを搭載し、認識能力を大幅に高めたもので、人間1人分に相当する1時間に450ケースの荷降ろしが可能。

導入費用は「1台4000万円程度」(IHI広報・IR部)と、人件費と単純比較して安い製品ではないが、採用難による人手不足が深刻化している物流・製造現場などでは、そもそもスタッフを確保することが困難で、パワードスーツなどの補助ロボットでは対応しきれないケースも想定されることから、こうした現場の需要を想定しているとみられる。

この「IHIデパレタイズシステム」には、あらかじめ一般的なサイズのケースは導入してすぐに使用できるようインプットされているが、プリセットされていない特殊な形状や重量の貨物に対しては、AIのディープラーニング機能によって対応し、事前の画像データの登録や「ティーチング」が不要となっている。

システムはAIや3次元ビジョンを活用したでパレタイズロボットシステムの開発実績を持つ米国のスタートアップ企業、キネマシステムズ社と共同で、AIによる物体認識技術を用いて事前データ登録やティーチングが不要なデパレターズシステムとして開発したものをベースに、処理能力を30%高めた。

この製品の最も特徴的なのは「マルチ荷姿・混載パレット」への対応が可能な点で、ピッキングのたびに最上段のケースの位置・サイズ・回転方向(向き)を認識することで、さまざまな荷姿や混載パレットの荷降ろしをカバー。密着して積み付けられた、ケーステープなどの付属物のあるケース、柄のあるケースでもAIが正確に個々のケースを認識するという。

IHIでは、このほかに「IHIシャトル&サーバ」(立体高速仕分装置)や「IHIロボスタック」(立体自動倉庫)などのケース用物流機器を取り扱っており、IHIデパレタイズシステムと組み合せ、「物流作業の無人化・省人化」などの高度化に取り組むとしている。

■問い合わせ先
IHI
産業システム・汎用機械事業領域
事業戦略推進部
TEL: 050-3821-9290(直通)