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矢野経済研究所調べ

医療用医薬品市場、後発6割で18年に10兆円規模

2014年6月27日 (金)

調査・データ矢野経済研究所は27日、医療用医薬品の将来予測を発表した。ジェネリック医薬品が2018年までに数量ベースで6割に達するケースと、新薬創出加算制度がある程度寄与し、市場を下支えするケースに分けて市場規模を算出した。

ケースIは、医療制度改革が医薬品需要に多大な影響を及ぼし、ジェネリック医薬品(後発医薬品)の数量ベースシェアが18年頃までに6割に達し、市場は「新薬かジェネリック医薬品か」という構造を持つことを想定して算出。この結果、医療用医薬品生産高は輸入品を含め、14年に9兆5421億円、17年に10兆1061億円、21年には10兆6172億円になると予測した。

一方、ケースIIでは医薬品需要の底固さと、結果的に穏やかに推移する医療制度改革を加味し、抗がん剤や糖尿病治療薬など高齢者社会で多くの患者が必要とする医薬品が順調に売上を伸ばすとともに、新薬創出加算制度が一定程度寄与し市場を下支えするとして算出。この結果、医療用医薬品生産高は輸入品を含め、14年に10兆918億円、17年に11兆2407億円、21年に12兆7707億円になる見通しとなった。

矢野経済研究所では、4月の薬価改定で、市場拡大再算定が適用された対象医薬品ととともに、同等の薬理作用を持つ類似薬に対しても薬価が引き下げられたことを受け、「上位に位置する製品を持つ製薬企業は一定のシェアを確保していることなどから、薬価を引き下げられても今後も売上の伸びが期待できる」と指摘。ただ、後発で上市した新薬を持ち、思うようにシェアを拡大できないでいる製薬企業にとっては「初期の売上計画達成のための条件がますます厳しくなる」との見方を示した。