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カンボジア当局、貨物船事故で運輸安全委に措置報告

2014年8月4日 (月)

ロジスティクス運輸安全委員会は1日、北海道稚内港で2013年5月16日に発生した貨物船「TAIGAN」の火災事故に関連し、同委員会が安全勧告を行ったカンボジア当局から措置状況の報告を受けたと発表した。

この事故は13年5月16日夜、TAIGANが稚内港天北2号ふ頭の西側岸壁に係留中、屋内作業場を除いて船内では喫煙が禁止されていたにもかかわらず、乗組員が船室のベッドの上で喫煙したため、布団などに着火して周囲の可燃物に燃え広がり、炎、煙が付近の階段の開口部を上って上方の居住区に延焼した可能性がある。

事故で死亡した6人のうち4人の乗組員は事故前夜に乗船したばかりで、火災発生時の対応の教育、脱出経路、消火器の設置場所などの説明が行われていなかったため、火災が発生して脱出する際に脱出経路が分からずに逃げ遅れたとみられている。

このため、運輸安全委員会は事故の調査結果を踏まえ、カンボジア当局にTAIGANと同様な船舶を運航する船舶管理会社、船舶所有者を指導するよう勧告した。

これに対し、カンボジア当局は船舶管理会社と船舶所有者に対し、類似事例の再発だけでなく「類似事例によって引き起こされる被害」を防止するための措置を発令。

具体的には、(1)船舶管理会社は、船上で喫煙規則が順守されることを確保すべき(2)船舶管理会社は、新たな船員が乗船した直後に脱出経路や消火器の場所の情報を含め、火災発生時に何をすべきかといったことに関する訓練をすべき(3)火災が発生した場所によって、利用可能な緊急脱出経路がなくなるといった状況を避けるため、船舶所有者は少なくとも二つの脱出経路(例えば、一方を船首側に、もう一方を船尾側に)を確保することが望ましい——といった措置を講じるよう命じた。

さらに、安全性に関する共通理解の向上と、これらの理解を確実にするため、「安全上の警告に関する文書」をすべてのカンボジア船籍船に発出すると回答した。