ロジスティクス全日本空輸(ANA)は3日、航空貨物キャリア大手のルフトハンザカーゴAGと、日本・欧州路線で戦略的な航空貨物の共同事業(ジョイントベンチャー)を行うことについて、国土交通省から独占禁止法適用除外(ATI)の認可を受けたと発表した。航空貨物の共同事業がATI認可を受けたのは世界で初のケース。
申請はANAが今春、国交省に対して行い、欧州ではEU競争法の規定に基づいて外部弁護士による事前の自主監査を完了した。
ANAとルフトハンザカーゴは今後、日欧間に就航する便の運航ダイヤ、運賃、営業、空港ハンドリングなどで共同事業を展開するための準備を進め、第一弾として14年冬季スケジュール中から日本発欧州向けで、続いて15年中に欧州発日本向けで共同事業を開始することを目指す。向こう数週間のうちに両社で共同事業の契約書に調印する。
この共同事業により、両社は顧客により多くの便の選択肢と幅広いサービスオプションを提供し、合同で国際航空貨物サービスの向上を図る。特に日欧間直行便、接続ネットワークを活用してこれまで以上にスピーディーで柔軟な航空貨物サービスをより多くの目的地向けに提供できるようにする。
また、成田・中部・デユッセルドルフ・フランクフルト・ミュンヘン(計画中)などの主要空港の貨物上屋を統合し、ワンストップサービスの提供基盤を目指す。
ANAグループとルフトハンザグループは、スターアライアンスパートナーとして既に旅客事業で共同事業を実施しているが、日欧線の貨物事業でも顧客の利便性向上と競争力の強化に注力する。