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貨物便参入や日本航空との共同運航検討の矢先

スカイマークが民事再生法の適用申請、負債710億円

2015年1月28日 (水)

ロジスティクススカイマークは28日、東京地裁に民事再生法の適用を申請した。上場企業の倒産は2013年8月のワールド・ロジ以来1年5か月ぶりで、スカイマークは日本航空や全日本空輸と貨物・旅客の両面で共同運航を模索していた。負債は710億8800万円。

帝国データバンクによると、同社は1996年11月に大手旅行会社エイチ・アイ・エスの創業者・澤田秀雄氏らが国内航空への新規参入を目的として設立。98年7月に運輸省(現・国土交通省)から事業免許を付与され、羽田空港内に事業所を開設、同年9月には東京-福岡便が初就航となり、大きな話題を呼んだ。

また、初就航時は格安を得意とするエイチ・アイ・エスの主導の下、国内航空線で新規参入したため、徹底したアウトソーシングによって既存の大手航空会社に比べ格安の運賃をアピールし、大手との差別化に注力していた。

00年5月には東証マザーズに上場(13年11月に東証1部上場)を果たし、02年に国際航空運送事業許可証を取得、東京−ソウル便の就航を開始した。06年10月には商号をスカイマークエアラインズから現商号へ変更。羽田空港を基幹空港として、同空港と福岡、神戸、札幌、那覇をつなぐ路線を主力に、成田や関西から発着する新路線の就航や新機材導入によって事業拡大を進め、12年3月期の売上高は802億5500万円を計上していた。

しかし近年は、複数の国内LCC(ローコストキャリア)の台頭で価格競争が激化。不採算路線の見直しを行っていたものの、燃料費の高騰の影響などから14年3月期は売上高859億7500万円に対し、18億4500万円の最終赤字を余儀なくされていた。

さらに7月下旬には代金支払いのメドが立たないことを理由に欧州エアバス社から納入予定だった6機の超大型旅客機「A380」の売買契約解除を通知され信用は大きく低下。解約違約金を巡ってはエアバス社と減額や支払済の前払金交渉を続けてきた。

一方、日本航空や全日本空輸と貨物・旅客分野の共同運航など支援要請を検討していたが、4年12月の搭乗率(全路線平均)も54.5%と低迷、資金繰りが悪化していた。