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物流連視察団が報告

カンボジア・ラオスの物流環境「数年後には変貌」

2015年11月19日 (木)
▲プノンペン新港

▲プノンペン新港

国際日本物流団体連合会(物流連)は18日、カンボジア・ラオスの物流実態調査を11月8日から15日にかけて実施した、と発表した。

調査は、国際業務委員会の取り組みの一環として、海外物流戦略ワーキングチームのメンバー4人がカンボジアの首都プノンペンとラオスの首都ビエンチャン、東西経済回廊の主要都市であるサバナケットを中心に行った。

カンボジアのプノンペン周辺では、市内の大型車通行規制に対応するため、市内中心部をう回する環状道路の整備が進み、9月からはプノンペン新港からプノンペンSEZまで市内中心部を通行することなく輸送が可能となった一方、市内からネアックルン橋(つばさ橋)へ向かう1号線の郊外接続部4キロが工事中のため、通過に30分以上を要する渋滞が発生していたという。

▲市内接続部の工事区間

▲市内接続部の工事区間

ラオスは、タイ国境間の架橋整備が進んでおり、タイ・バンコク-ベトナム・ハノイ間の3国間輸送、サバナケットにある第2メコン友好橋の上流110キロに位置する第3メコン友好橋の通関体制が24時間体制となったため、貨物が第3メコン友好橋へ流れつつあることを確認した。

▲地場企業のコンテナ積み替え場所

▲地場企業のコンテナ積み替え場所

行政面では、「各国ともさらにインフラ整備の必要性を感じている」こと、「時間を要するが、その状況は日々改善されていく」ことを実感。カンボジアでは物流マスタープランを日本の関係機関の協力で策定していくことにしており、現地ヒアリングから「各国とも、政府関係者の次の世代の担い手を欧米や日本へ送り込み、教育を受けさせ、帰国後要職に登用する」という取り組みを実施していることを確認した。

こうした現地調査を受け、物流連は「急激な変化は望めないものの、世代交代が進み、数年後には着実に変貌を遂げているものとみられる」との見通しを示した。

調査団は、物流を所管するカンボジア公共事業運輸省の総局長、ラオス公共事業運輸省の副局長、在ラオス日本大使館の参事官、書記官、JICA専門官、ラオスの物流団体「ラオスインターナショナルフレイトフォワーダーズ協会」(LIFFA)の会長、現地日系合弁企業5社、地場企業1社(2拠点)、JETROプノンペン事務所などを訪問。

▲第3メコン友好橋のゲート

▲第3メコン友好橋のゲート

カンボジア・ラオスの物流行政に関する情報や、物流関連インフラの整備状況、国内物流事情、課題などを調べた。また、4月に開通したカンボジアのネアックルン橋、プノンペン新港、ラオスとタイの国境にかかる第1、2、3メコン友好橋、ラオス唯一の鉄道駅「タナレーン」周辺の開発状況、ビエンチャンとサバナケット間の道路インフラ状況、サワンセノSEZなども視察した。

▲メコン川を航行するバージ船

▲メコン川を航行するバージ船