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ドローンによる地上3Dデータの即時伝送を実証

2025年6月19日 (木)

調査・データドローン搭載用レーザースキャナーシステムの開発・製造を手掛けるamuse oneself (大阪市北区)とKDDI、KDDI総合研究所(埼玉県ふじみ野市)は18日、ドローンから3D点群データをリアルタイムに伝送する実証実験に成功したと発表した。送られたデータをもとに、河川などを含む地形や地上の様子を3D画像で再現でき、水害時でも被災状況をドローンによって確認できるようになる。

▲ドローンが3D計測する様子(出所:amuse oneself)

3D点群データは、画像や映像データに比べ、サイズや奥行き情報も含めて立体的な情報を取得できることから、測量用途などで活用が進んでいる。しかし、現場で測量された3D点群のデータ量は非常に多く、遠隔地と共有するにはデータを保存した記録媒体を運ぶか、長時間かけて伝送するしかなかった。また、一般的な近赤外線レーザーは水に吸収されてしまうため、水害時のデータ計測が困難だった。

しかし、amuse oneselfは水に吸収されにくいグリーンレーザーを使って水中の3D地形も可視化可能なドローンレーザースキャナーシステム「TDOT 7 GREEN」を開発。今回、同スキャナーシステムと、KDDIの3D点群圧縮ソフトウェアをドローンに搭載し、上空から地形や建造物などの3D点群データの伝送を試みた。3D点群圧縮ソフトウェアは、伝送に必要なデータ量を5分の1から20分の1に圧縮、伝送時間を短縮する。

実証実験は今月6日、大阪府豊能町で行われ、上空から計測した3Dデータを、KDDIスマートドローンの「上空電波パッケージ」を使ったモバイル通信で、amuse oneself本社へ伝送した。データは即時に送られ、地上の様子を3D画像で再現できた。

3社は「被災状況の把握に必要な時間を従来の数時間から数分に短縮でき、より迅速な救助活動が可能になる」とし、今後、他の事業者とも協力して、ドローンからの3D点群データ伝送の社会実装を進めるとともに、災害対策や救助活動に関わる業務のDXに向けた研究開発を進めていく。

今回の成果をもとに、amuse oneselfはドローンレーザースキャナーシステムの新たなオプションサービスの開発を予定している。また、実証実験に関する展示を18日から21日まで、幕張メッセで開催中の第7回国際建設・測量展(CSPI-EXPO2025)で展示している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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