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兼松、欧州へ清酒の輸出事業開始

2017年3月1日 (水)

EC兼松は1日、ウェブサイト制作や映像製作を手がけるMONSTER DIVE(モンスターダイブ、東京都港区)と共同で、BtoB越境ECサイト「SAKE NETWORK」(サケネットワーク)を立ち上げ、清酒の輸出事業を開始すると発表した。

海外での清酒販売として大量輸送・現地保管による鮮度品質の低下といった懸念があるが、SAKE NETWORKではこの課題を解決するため、顧客のオーダーを受けてから酒蔵が箱詰めし、国内配送、輸出手続き、空輸、現地配送までを一気通貫で行うロジスティクス体制を用意した。

SAKE NETWORKでは、自前での輸出が困難な酒蔵や輸出販路を拡大したい酒蔵の清酒をプラットフォーム上で海外バイヤーと売買し、兼松の持つ物流・海外流通チャネルに乗せて、大都市だけでなく地方都市へも清酒を配送する。

まずは欧州市場への輸出から開始し、次いで米国、アジアへ販路を拡大する。

SAKE NETWORKのプラットフォームは、海外の料飲店などが清酒を直接購入することで中間マージンが排除されるとともに、商社の物流機能を活用することで、清酒を求めやすい価格で提供することができる。さらにSAKE NETWORKを通して正しい日本酒知識の広めていくことで、清酒の飲用シーンを増やし、普及促進を図る。

実質20年連続マイナス成長が続いている国内清酒市場に対して清酒輸出市場は毎年拡大しつつある。一方で昨今は世界的に日本食レストラン数が増加しているものの、清酒の価格はまだ高く、入手も大都市に限られているため、「清酒の普及は十分とは言えない」のが現状だという。兼松は「清酒への正しい理解が得られていないこともその理由の一つ」だとしている。

兼松の食品部門として、従来強みのある食品原料の輸入ビジネスに加え、今回の越境ECによる食品輸出を契機に海外市場への進出も拡大する方針。