アスクル、物流復旧･再構築へ｢戦時体制｣敷く

財務・人事アスクルが21日に発表した執行役員の担当変更は、倉庫火災からの「早期復活」と再発防止の徹底、「顧客から最も支持される」物流配送機能の構築――をさらなる成長につなげる狙いを込め、物流・配送機能の重視をかなり意識した布陣となった。

同社の物流戦略を担うのは、消費者ニーズに対してサプライチェーン上の生産・卸・小売といったプレイヤーが連携し、流通システム全体の効率化を図ることをミッションとする「ECR本部」。ECRは「消費者に対する効率的対応」（＝Efficient Consumer Response）を表す用語で、要は物流・配送機能の品質を高めながら、いかに円滑に商品を届けるかを任務とする。

同本部はCPO（チーフ・プラットフォーム・オフィサー）を兼ねる川村勝宏執行役員が率いており、今回の執行役員人事で桜井秀雄、秋岡洋平、池田和幸の3氏が川村氏を補佐する副本部長のポジションに就いた。

桜井氏が「戦略調達2担当」、秋岡氏が「物流企画担当」、池田氏が「配送マネジメント・戦略調達・安全管理担当」と、3氏が分野ごとに細かく業務を統括する体制を整えたものといえるが、今回の人事はECR本部の執行体制を強化しただけではない。

川村氏を中心としながら、復旧と安定供給、さらなる成長へという難易度の高いミッションを全社挙げて実現していくため、3氏がこれまで担っていた業務をほかの執行役員に振り向けた、いわば「戦時態勢」的な執行役員人事だといえよう。

アスクルが3月1日と同月21日付で実施した、執行役員の担当変更は次の通り。