財務・人事日本貨物鉄道(JR貨物)がこのほど発表した2018年3月期決算によると、鉄道ロジスティクス事業は売上高1732億円(前年同期比2.6%増)、営業利益16億円(3.6%増)で、前年から続く黒字を維持したことがわかった。JR貨物全体では不動産部門の分譲マンション事業の反動により、増収減益だった。
鉄道ロジスティクス事業は、輸送力の再配置・再編による商品力強化と輸送効率向上を進めるとともに、収益性が低い列車の見直し・再編にも取り組み、列車収支の改善に努めた。
営業活動では、マーケティングに基づき収益性を重視した活動を展開し、ラウンド輸送のマッチングや複数企業の連携による共同輸送の提案を進めた。特に共同輸送では、輸送の効率化やドライバー不足への対応を背景に鉄道輸送への期待が高まっており、昨年1月に開始した関西-北陸間の同業2社の共同輸送に続き、昨年9月には北海道地区でも同業4社による共同輸送を開始した。
経費面では、無駄な空コンテナ回送の削減や燃料費などの日々の列車運行にかかるオペレーションコストの削減などを進めた。
一方、不動産事業は、前年度の分譲マンション事業の反動により売上高が1.9%減、営業利益が1.2%減少し、JR貨物全体では、売上高2.3%増、営業利益1.3%減となった。純利益は、前年度の宮城県広域防災拠点整備事業に伴う仙台貨物ターミナル駅の同市内岩切地区への移転計画に基づき、同駅用地を宮城県に売却したことなどによる特別利益が発生した反動にで41%減少した。
■2018年3月期
累計(百万円) | 前年同期比 | 対売上高利益率 |
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売上高 | 194,561 | 2.3% | |
営業利益 | 12,274 | -1.3% | 6.3% |
経常利益 | 10,481 | 1.2% | 5.4% |
当期利益 | 7,658 | -41.0% | 3.9% |