ドローン物流実現加速へ、福島で試験拠点一部開所

話題国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は19日、ドローン長距離飛行・運航管理の世界初の試験拠点として、経済産業省と福島県が整備を進めている福島ロボットテストフィールドが、20日に一部を開所すると発表した。安全・円滑に飛行試験ができる環境を整備し、世界に先駆けたドローン物流などの実現を加速する。

福島ロボットテストフィールドは、物流やインフラ点検などに活用できるドローンといった陸・海・空のフィールドロボットを主な対象に、実際の使用環境を再現しながら研究開発、実証試験、性能評価、操縦訓練を行うことができる拠点。

7月20日には、ドローンとの長距離通信の確保、気象情報の収集、他機の監視といったドローンの安全な飛行を支える機能を集約した「通信塔」が開所する。最初に開所する試験施設となる。

併せて、福島県はこれまで福島浜通りロボット実証区域で80件以上の飛行試験を仲介した実績と、地域住民の理解を得て、福島ロボットテストフィールドが立地する南相馬市と浪江町の間の13キロを「広域飛行区域」に設定し、円滑に試験ができる環境を整える。

試験の第1弾として、8月9日にドローンの運航管理の試験を行う。日本電気（NEC）、NTTデータ、日立製作所、NTTドコモ、楽天が、通信塔の設備を活用して、「物流」「災害調査」「点検」の3つの利用シーンの同時飛行試験を実施する。

近接した範囲で複数のドローンが飛行する場合、それぞれが安全な飛行経路を設定し、離発着場の利用時間を調整するなどの必要がある。今回の実証試験では、運航管理システムが3機の飛行計画を管理収集し、通信塔に設置されている気象観測装置の情報などを精査することで、飛行経路変更や離発着タイミングの最適化を図る。