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Liイオン電池搭載の内航鋼材船就航、NSU海運

2019年2月18日 (月)

ロジスティクスNSユナイテッド海運は18日、傘下のNSユナイテッド内航海運が小池造船海運(広島県大崎上島町)で建造したリチウムイオン電池搭載船「うたしま」(総トン数499トン)が27日に就航すると発表した。

うたしまは船主の向島ドック(同県尾道市)、船舶用電機システムを構築した西芝電機(兵庫県姫路市)、小池造船海運が共同開発した最新の省エネ船で、就航後は新日鉄住金の鋼材製品を輸送する。

最大の特徴は、国内の内航貨物船として初めてリチウムイオン電池を利用したハイブリッド推進システムを搭載している点で、動力源に従来のディーゼルエンジンと、推進電動機兼軸発電機の「2つの異なる推進機関」を装備。通常はディーゼルエンジン運転で太平洋上などを航行しながら、同時に軸発電機を回転させ、リチウムイオン電池を充電。陸上の電源供給設備からも急速充電できる。

搭載されるリチウムイオン電池の総容量は3500キロワット時で、リチウムイオン電池を搭載する一般的な普通自動車2700台分に相当する。

東京湾や大阪湾などの湾内ではディーゼルエンジンを停止し、充電されたリチウムイオン電池から推進電動機へ給電、プロペラを回転させて「内燃機関を使用しない運航」を行うことができることから、CO2を排出しない「港湾内ゼロエミッション」も実現可能。推進電動機による航行時は「低騒音、低振動とともに、船員の労務負荷もディーゼルエンジン運転時より軽減できる」(NSユナイテッド海運)という。

また、荷役、停泊時の船内電力は、リチウムイオン電池から給電することになり、停泊時の無騒音、無振動の船内環境を確保することが可能。

▲試運転航行中の「うたしま」

■うたしまの主要目
総トン数:499トン
載貨重量:1700トン
主要寸法:全長76.19m×幅12m×深さ7.13m
航海速力:11ノット
最大搭載人員:7人
主機関:阪神内燃機工業LA-30(1800PS)
推進電動機兼軸発電機:西芝電機(発電180キロワット/推進300キロワット)
電池充放電システム:西芝電機(放電711キロワット/充電120キロワット)
リチウムイオン電池:東芝インフラシステムズSCiB(3500キロワット時)